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【プレビュー】激戦70kg級のV候補は新添左季、最重量級は冨田若春がディッコに挑戦/グランドスラム・パリ2022最終日女子

新添左季

70kg級 優勝候補は新添左季、大野陽子は準決勝にマティッチとのリベンジマッチ組まれる

(エントリー20名)

強豪多数、レベルの高いトーナメント。2021年ブダペスト世界選手権王者のバルバラ・マティッチ(クロアチア)に同2位の大野陽子(コマツ)、昨年のグランドスラム・パリを圧倒的な強さで制してもっか実力ナンバーワンと目される新添左季(自衛隊体育学校)、ジョヴァンナ・スコッチマッロ(ドイツ)、マルゴ・ピノ(フランス)と世界大会優勝を狙うクラスのトップ選手がずらり顔を揃えた。ここにマリア・ポルテラ(ブラジル)、アッスマ・ニアン(モロッコ)らワールドツアー表彰台常連のベテラン選手も加わり、まさに見ごたえ十分。

優勝候補筆頭は新添。以前は投げの威力に極端に依存したスタイルだったが、昨年出場した大会では、投げの威力をそのままに厳しい組み手とそれに連動した足技を盛り、完成度の高い柔道を見せてくれた。グランドスラム・パリでは国内のライバルの大野陽子にも勝利しており、今年の世界王者候補の最右翼だ。今大会はノーシードからのスタートとなり、2回戦でポルテラ、以降は準々決勝でハン・ヒジュ(韓国)、準決勝でスコッチマッロ、決勝ではマティッチ、大野、ピノの勝者と対戦予定。ハン以外はいずれも世界大会上位レベルの強豪だが、いまの新添の力ならば全試合一本勝ちで優勝しても不思議ではない。初の世界選手権個人代表に向け、ここで改めて力を示したい。

大野陽子

一方、大野は準々決勝でピノに勝利すると、準決勝ではマティッチとの世界選手権のリベンジマッチが組まれることになる。前回対戦時は相手の両組みに対応し切れずに敗れたが、そもそもの実力は大野の方が上。ライバル新添の独走に待ったをかけるためにも、ここはなんとしても決勝の直接対決まで辿り着いきたいところ。勝ち上がるためのポイントは、前進圧力を緩めないことと、状況に即した冷静な技術選択ができるかだ。

バルバラ・マティッチ

【プールA】
第1シード:バルバラ・マティッチ(クロアチア)
第8シード:ヒルデ・ヤヘル(オランダ)
有力選手:ケイティ=ジェミマ・イェーツ=ブラウン(イギリス)

【プールB】
第4シード:大野陽子(コマツ)
第5シード:マルゴ・ピノ(フランス)
有力選手:ツェレンデュラム・エンフチメグ(モンゴル)

【プールC】
第2シード:ジョヴァンナ・スコッチマッロ(ドイツ)
第7シード:アッスマ・ニアン(モロッコ)

【プールD】
第3シード:マリア・ポルテラ(ブラジル)
第6シード:ケリー・ピーターセン=ポラード(イギリス)
有力選手:ハン・ヒジュ(韓国)
日本代表選手:新添左季(自衛隊体育学校)

78kg級 梅木真美と髙山莉加が五輪銀メダリストのマロンガに挑む

マドレーヌ・マロンガ

(エントリー15名)

東京五輪銀メダリストのマドレーヌ・マロンガ(フランス)が参戦、第1シードに配された。この選手にファニー=エステル・ポスヴィト(フランス)とオドレイ・チュメオ(フランス)を加えたフランスのトップ3に、梅木真美(ALSOK)と髙山莉加(三井住友海上)の日本勢2名、ルイーズ・マルツァーン(ドイツ)を加えた6名までが優勝争いの圏内だ。先週のグランプリ・ポルトガルを制したばかりのユン・ヒュンジ(韓国)とイ・ジョンギュン(韓国)の韓国勢も出場しており、優勝の難度は高い。

優勝候補はマロンガ。階級でも随一の体格とパワー、馬力があり、好調時の相手を正面から粉砕するような技の破壊力は脅威だ。試合中に集中力を失ったり、あるいは突然弱気になってミスを犯すことがあるものの、今回は地元フランスでの大会。メンタル的にも相応良いコンディションで臨んでくると思われる。そもそもの実力では出場者のなかで一段抜けており、一度波に乗ってしまえばその勢いのまま優勝してしまう可能性も高い。

梅木真美

日本代表は梅木真美(ALSOK)と髙山莉加(三井住友海上)。最初の山場は、梅木が準決勝のマロンガ戦、髙山が初戦のユン戦となる。梅木は組み合わせに恵まれておりベスト4までは無風だが、髙山はユンに勝利しても次は準々決勝でポスヴィト、さらに準決勝でマルツァーンと対戦せねばならない厳しい組み合わせ。とはいえ、実力的にはどちらもミスさえ犯さなければマロンガ以外にはまず負けないだけの力を持っている。勝てる試合を確実にモノにして勝ち上がり、マロンガ、あるいは日本勢同士の直接対決に臨みたい。国内のこの階級は現在東京五輪王者の濵田尚里(自衛隊体育学校)の一人勝ち状態にある。海外勢最大のターゲット選手マロンガが参加する今大会は、濵田の背中に近づくための大チャンス。気合の入った戦いぶりに期待したい。繰り返しになるが実力は十分、勝ち上がるためのポイントはいかにミスなく試合を進めるかだ。

髙山莉加

【プールA】
第1シード:マドレーヌ・マロンガ(フランス)
第8シード:イ・ジョンギュン(韓国)

【プールB】
第4シード:梅木真美(ALSOK)
第5シード:ナターシャ・アウスマ(オランダ)
有力選手:アリナ・ブーン(ドイツ)、サマ=アワ・カマハ(フランス)

【プールC】
第2シード:ルイーズ・マルツァーン(ドイツ)
第7シード:エマ・レイド(イギリス)
有力選手:オドレイ・チュメオ(フランス)

【プールD】
第3シード:ユン・ヒュンジ(韓国)
第6シード:ファニー=エステル・ポスヴィト(フランス)
有力選手:ヤエル・ファンヒームスト(オランダ)
日本代表選手:髙山莉加(三井住友海上)

78kg超級 優勝候補はディッコ、冨田若春は準々決勝でソウザと対戦

ホマーヌ・ディッコ

(エントリー14名)

エントリー14名の小規模トーナメント、世界王者経験者の名前もなし。とはいえ参加者のレベル自体は高く、東京五輪銅メダリストのホマーヌ・ディッコ(フランス)を筆頭に、2021年ブダペスト世界選手権銀メダリストの冨田若春(コマツ)、同銅メダリストのベアトリス・ソウザ(ブラジル)、ニヘル・シェイフ=ルーフー(チュニジア)と世界大会メダルクラスの強豪が4名。加えて先週のグランプリ・ポルトガルを制したキム・ハユン(韓国)に、レア・フォンテーヌ(フランス)、コラリー・ハイメ(フランス)、ジュリア・トロフア(フランス)といずれも力のあるフランス勢が名を連ねており、実は見どころかなり多い。

優勝候補はディッコ。東京五輪では素根輝(パーク24)とイダリス・オルティス(キューバ)に敗れたが、それ以外の選手と比べると頭ひとつ抜けた実力を持っている。東京五輪から約半年。パリ五輪での優勝に向けてフランスチームは挙げて強化を図っていると思われ、エースのディッコがどのような進化を遂げているのかに注目したい。

冨田若春

日本代表の冨田はブダペスト世界選手権以来の実戦。同大会では2位と結果は残したものの、朝比奈沙羅(ビッグツリー)の前に地力不足や戦術面の甘さを露呈。膝の故障も負ってしまう非常に苦い結果に終わった。あれから8ヶ月。怪我のリハビリ期間も考慮すると全期間を柔道の強化に充てられたわけではないだろうが、対大型、自分よりも地力が上の相手に対する方法論をいかに磨いてきたのか。今大会である程度その方向性、成果を示したい。組み合わせでは準々決勝のソウザ戦が最初の山場。世界選手権では勝利している相手だけに、ここで遅れを取るわけにはいかない。必達目標は決勝でディッコと直接手を合わせること。できることならば優勝して、朝比奈、そして素根を追撃する第一歩としたい。

【プールA】
第1シード:ベアトリス・ソウザ(ブラジル)
第8シード:レネー・ルフト(ドイツ)
日本代表選手:冨田若春(コマツ)

【プールB】
第4シード:レア・フォンテーヌ(フランス)
第5シード:ジュリア・トロフア(フランス)

【プールC】
第2シード:ホマーヌ・ディッコ(フランス)
第7シード:ソニア・アッセラー(アルジェリア)

【プールD】
第3シード:ニヘル・シェイフ=ルーフー(チュニジア)
第6シード:キム・ハユン(韓国)
有力選手:コラリー・ハイメ(フランス)

→グランドスラム・パリ2022組み合わせ
→男女14階級みどころ



文責:小林大悟・eJudo編集部

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