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史上稀に見る混戦期いよいよ終曲、「最終勝者」は誰か?/東京オリンピック柔道競技男子81kg級階級概況解説・シード予想

日本代表は永瀬貴規

階級概況

男女全14階級を通じてナンバーワンの激戦階級。リオー東京期前半の「優勝候補20人」、競技史上稀に見る大混戦期を経て2019年にはようやくある程度上位陣の顔ぶれが固まった感があったが、結局誰かが集団から抜け出すと(具体的にはタト・グリガラシヴィリがいったん抜け出した)相互研究で周囲が追いつくという“集団レベルアップ”をまたもや繰り返すこととなり、いまは再び「本命ばかり優勝候補が不在」の戦国時代を迎えている。

それでも強いて優勝候補を挙げるとすれば、永瀬貴規(旭化成)マティアス・カッス(ベルギー)サギ・ムキ(イスラエル)サイード・モラエイ(モンゴル)の世界王者経験者と、タト・グリガラシヴィリ(ジョージア)ヴェダット・アルバイラク(トルコ)クリスティアン・パルラーティ(イタリア)シャロフディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)アントワーヌ・ヴァロア=フォルティエ(カナダ)ら最近のワールドツアーの表彰台常連組が合わさって形成する第1グループ。順当であればここまでに名前を挙げた選手のなかからメダリストが決まるはずだ。ただし第2グループにもフランク・デヴィト(オランダ)やドミニク・レッセル(ドイツ)など第1グループに伍する力を持った実力者が揃っており、第3グループの選手も1試合限定であれば第1グループの選手に十分勝利するだけの力がある。

<タト・グリガラシヴィリ>

つまり、率直に言って勝ち上がりの予想は極めて困難だ。魅力的な選手ばかりで好カード続出。優勝争いは上位戦に入ってから楽しむとして、序盤戦は各選手の調子を確認しつつ1試合ごとを味わうことをお勧めしたい。予習としての選手名鑑の熟読は必須だ。というよりも、この階級に関してはこの「概況・シード予想」を読むよりも「選手名鑑」を熟読すること。1人1人の特徴に浸ってしかもその人数の多さを実感するという行為そのものが「81kg級らしさ」であると思う。

前述のとおり日本代表の永瀬貴規はあくまで優勝候補の1人という立ち位置。実力は間違いなく階級トップクラスなのだが、ほかにも強豪が多すぎるために抜けた存在として推すことは少々難しい。「永瀬は物凄く強いが他の選手もやっぱり物凄く強い」というのが81kg級なのである。当日は間違いなく多くの選手が常ならざるハイコンディションで試合上に現れると予想され、まずはその上がり幅に付いて行くことができるかどうかがポイントになるだろう。

シード予想

【プールA】
第1シード:マティアス・カッス(ベルギー)
第8シード:アラン・フベトソフ(ロシア)
【プールB】
第4シード:ヴェダット・アルバイラク(トルコ)
第5シード:フランク・デヴィト(オランダ)
【プールC】
第2シード:サギ・ムキ(イスラエル)
第7シード:シャロフディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)
【プールD】
第3シード:タト・グリガラシヴィリ(ジョージア)
第6シード:サイード・モラエイ(モンゴル)

<第1シードは6月のブダペスト世界選手権を制したマティアス・カッス。>

第1グループでシードから溢れたのは永瀬、パルラ−ティ、ヴァロア=フォルティエの3名。まずはこれらの選手がどの位置に置かれるかでトーナメントの様相が大きく変わることになる。シード選手だけを見た場合でも上の山からカッスとアルバイラクが勝ち上がって準決勝を戦うところまでは予想できるが、下の山の準々決勝で組まれているムキvsボルタボエフ、グリガラシヴィリvsモラエイはいずれも予測困難。いずれの選手も多彩な技を持っており、採り得る戦略も多岐にわたる。ただ1つだけ確実なことは、どの試合も我々観客の想像を越えてくれるだろうということだ。

有力選手名鑑

このあとアップ予定(メルマガ版では配信済み)の「有力選手名鑑」に実績、組み手や得意技、柔道の特徴をまとめてあるので参照されたい。
ピックアップ選手は永瀬貴規、マティアス・カッス(ベルギー)、タト・グリガラシヴィリ(ジョージア)、サギ・ムキ(イスラエル)、サイード・モラエイ(モンゴル)、ヴェダット・アルバイラク(トルコ)、クリスティアン・パルラーティ(イタリア)、シャロフィディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)、アントワーヌ・ヴァロア=フォルティエ(カナダ)、フランク・デヴィト(オランダ)、ドミニク・レッセル(ドイツ)、イヴァイロ・イヴァノフ(ブルガリア)、アンリ・エグティゼ(ポルトガル)、ウングヴァリ・アッティラ(ハンガリー)、アラン・フベトソフ(ロシア)、モハメド・アブデラル(エジプト)、シャミル・ボルチャシヴィリ(オーストリア)、ムラド・ファティエフ(アゼルバイジャン)、エドゥアルド・ユウジ=サントス(ブラジル)、ロビン・パチェック(スウェーデン)、ウラジミール・ゾロエフ(キルギスタン)、ディダル・ハムザ(カザフスタン)、ナシフ・エリアス(レバノン)、アレクシオス・ンタナツィディス(ギリシャ)、 エマニュエル・ルセンティ(アルゼンチン)の25名。

<2019年の世界王者サギ・ムキ>

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