サイード・モラエイ(アゼルバイジャン)

サイード・モラエイ(アゼルバイジャン) MOLLAEI Saeid

MOLLAEI Saeid
31歳 1992/1/5
WR:3位 組み手:左組み

得意技:肩車、肩車(モラエイ)、右払釣込足
使用技:右背負投、右小外掛、巴投、裏投、右腰車、右袖釣込腰、浮落、隅落、左小外刈、左小外掛、左内股(やぐら投げ)、右出足払、右一本背負投

東京五輪銀メダリスト。2018年バクー世界選手権の金メダリストでもある。

イラン出身でかつてはレスリングの選手だった。その出自を濃く感じさせる鋭い「潜り込み技」と、階級屈指のパワーが武器だ。釣り手で相手の背中を抱く形を基本としており、得意技は肩車。オーソドックスな型はもちろん、両袖からレスリングの「反り技」のように背中で押し込む変則の形も得意としており、この技術には世界中でフォロワーが続出。そのまま「モラエイ」と呼ばれている。

レスリング系変則選手のイメージが先行しているが、実は柔道技術の上手さもかなりのもの。むしろ我々が正しく「柔道」とイメージする技術にこそ秀でており、「モラエイ」は彼の広い技術体系の中で状況に応じて選ぶ手札の一つというのが、正しい解釈だ。コロナ禍に身に付けた右払釣込足は素晴らしい切れ味を誇り、近年はこの技で度々相手を宙に舞わせている。瞬時に組み手をスイッチしての右背負投や巴投も用いるなど、技は非常に多彩。寝技にも積極的で、相手の下に潜り込む「ローリング」から、肩固で抑え込む形を得意としている。

2019年東京世界選手権において、イスラエル選手との戦いを避けるために欠場することをイラン政府に求められるも、強行出場。当日の会場内でも当局から苛烈な圧力を受け、IJFの保護のもとイランを離脱した。難民選手団所属、モンゴル籍を経て、現在は母の母国であるアゼルバイジャン籍となっている。友人でありイラン離脱の直接の原因であるサギ・ムキ(イスラエル)とは、昨年7月のグランドスラム・ハンガリーで念願の初対決が実現。崩袈裟固「一本」で勝利した。

おもな戦績

2021年 東京五輪 2位
2018年 バクー世界選手権 優勝
2017年 ブダペスト世界選手権 3位

最近の成績

2023年3月 グランドスラム・アンタルヤ 2位
2022年12月 ワールドマスターズ・エルサレム 2位
2022年11月 グランドスラム・バクー 優勝

更新日:2023年5月7日(ドーハ世界柔道選手権2023完全ガイド)
監修:eJudo編集部

タシケント世界柔道選手権2022での記事

MOLLAEI Saeid
30歳 1992/1/5
WR:6位 組み手:左組み

得意技:肩車、肩車(モラエイ)、右払釣込足
使用技:右背負投、右小外掛、巴投、裏投、右腰車、右袖釣込腰、浮落、隅落、左小外刈、左小外掛、左内股(やぐら投げ)、右出足払、右一本背負投

東京五輪銀メダリスト。2018年バクー世界選手権の金メダリストでもある。

イラン出身でかつてはレスリングの選手だった。その出自を濃く感じさせる潜り込み技の鋭さと、階級屈指のパワーが武器。釣り手で相手の背中を抱く形を基本としており、得意技は肩車。オーソドックスな型はもちろん、両袖からレスリングの「反り技」のように背中で押し込む変則の形も得意としており、この技術には世界中でフォロワーが続出。そのまま「モラエイ」と呼ばれている。この技が有名になり過ぎたゆえレスリング系変則選手のイメージが先行しているが、実は「柔道」自体がかなり上手く、最近は素晴らしい切れ味の右払釣込足で度々相手を宙に舞わせている。瞬時に組み手をスイッチしての右背負投や巴投も用いるなど、技術も非常に多彩。「モラエイ」はあくまでその選択肢の1つというのが正しい解釈だ。寝技にも積極的で、相手の下に潜り込んで肩固ロックで回す形を得意としている。

2019年東京世界選手権において、イスラエル選手との戦いを避けるために欠場することをイラン政府に求められるも強行出場。当日の会場内でも当局から苛烈な圧力を受け、IJFの保護のもとイランを離脱した。難民選手団所属、モンゴル籍を経て、現在は母の母国であるアゼルバイジャン籍となっている。友人でありイラン離脱の直接の原因であるサギ・ムキ(イスラエル)とは、今年7月のグランドスラム・ハンガリー念願の初対決が実現。崩袈裟固「一本」で勝利した。

おもな戦績

2021年 東京五輪 2位
2018年 バクー世界選手権 優勝
2017年 ブダペスト世界選手権 3位

最近の成績

2022年9月 ヨーロッパオープン・リッチョーネ 3位
2022年7月 グランプリ・ザグレブ 2位
2022年7月 グランドスラム・ハンガリー 2位

更新日:2022年10月5日(タシケント世界柔道選手権特集)
監修:eJudo編集部

東京2020オリンピックでの記事

MOLLAEI Saeid
29歳 1992/1/5
WR:6位 組み手:左組み
得意技:肩車、肩車(モラエイ)、右払釣込足
使用技:右背負投、右小外掛、巴投、裏投、右腰車、右袖釣込腰、浮落、隅落、左小外刈、左小外掛、左内股(やぐら投げ)、右出足払、右一本背負投

2018年バクー世界選手権金メダリスト。イラン出身でかつてはレスリングの選手だった。その出自を濃く感じさせる潜り込みの鋭さと、階級屈指のパワーが武器。釣り手で相手の背中を抱く形を基本としており、得意技は肩車。オーソドックス型はもちろん、両袖からレスリングの「反り技」のように背中で押し込む変則の形も得意としており、この技術には世界中でフォロワーが続出。そのまま「モラエイ」と呼ばれている。この技が有名になり過ぎたゆえレスリング柔道のイメージが強いが実は「柔道」自体がかなり上手く、最近は素晴らしい切れ味の右払釣込足で度々相手を宙に舞わせている。瞬時に組み手をスイッチしての右背負投や巴投も用いるなど、技術も非常に多彩。「モラエイ」はあくまでその選択肢の1つというのが正しい解釈だ。寝技にも積極的で、相手の下に潜り込んで肩固でフォールする形を得意としている。2019年東京世界選手権においてイスラエル選手との戦いを避けるために欠場することをイラン政府に求められるも強行出場。当日の会場内でも当局から苛烈な圧力を受け、JFの保護のもとイランを離脱した。難民選手団所属を経て現在はモンゴル籍で競技を続けている。。

おもな戦績

2018年 バクー世界選手権 優勝
2017年 ブダペスト世界選手権 3位
2018年 アジア競技大会 2位

最近の成績

2021年6月 ブダペスト世界選手権 7位
2021年4月 アジア・オセアニア選手権 3位
2021年3月 グランドスラム・タシケント 2回戦敗退

更新日:2021年7月18日(東京オリンピック特集)
監修:eJudo編集部

東京世界柔道選手権2019での記事

MOLLAEI Saeid
27歳 1992/1/5
WR:1位
組み手:左組み
得意技:肩車、右背負投、右小外掛
使用技:巴投、裏投、右腰車、右袖釣込腰、浮落、隅落、左小外刈、左内股(やぐら投げ)、右出足払

2018年バクー世界選手権金メダリスト。もとはレスリングの選手との出自を濃く感じさせる潜り込みの鋭さと階級屈指のパワーが武器。釣り手で相手の背中を抱く脇を差した形を基本としており、攻撃のほとんどは組み際の技だ。得意技は肩車。この技は一般的な仕掛け方のほか、両袖からレスリングの「反り技」のように背中で押し込む形もよく用いる。器用な選手でもあり、瞬時に右組みにスイッチしての右背負投や巴投も備えている。寝技にも積極的で、相手の下に潜り込んで肩固でフォールする形を得意としている。激戦階級の81kg級にあって安定して成績を残している珍しい存在だが、政治宗教上の理由でイスラエル選手と戦うことができないという弱点を抱えている。この階級には強豪のサギ・ムキ(イスラエル)がいるため、実はこれは致命的だ。今年5月、イランの柔道連盟とオリンピック委員会は「五輪憲章とその無差別の原則を尊重する」というコメントを発表したが、選手が何らかの理由をつけて(自主的にという体で)欠場するなど、依然この問題は解決されていない。

おもな戦績

2018年 バクー世界選手権 優勝
2018年 アジア競技大会 2位
2017年 ブダペスト世界選手権 3位

最近の成績

2019年7月 グランプリ・ザグレブ 3位
2019年5月 グランプリ・フフホト 優勝
2019年2月 グランドスラム・パリ 3位

更新日:8月23日(東京世界柔道選手権2019特集)

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