斉藤立(JESグループ)

斉藤立(JESグループ) SAITO Tatsuru

SAITO Tatsuru
階級:100kg超級 WR:6位
22歳 2002/3/8
組み手:左組み

得意技:左体落、左内股、左大外刈、左大内刈、左払腰、左足車、寝技
使用技:左小外刈、右小外掛
寝技得意技術:「元谷返し」

2022年タシケント世界選手権銀メダリスト。同年のワールドマスターズでは優勝している。

少年カテゴリ時代から将来の重量級のホープとして大きな期待を集めてきた大器。大学入学以降は怪我の多さもあってやや停滞したが、2022年4月の全日本選手権で、2021年ハンガリー世界選手権王者の影浦心(日本中央競馬会)やリオデジャネイロ五輪銀メダリストの原沢久喜(長府工産)を破るなどして優勝。ついにその才能を開花させた。父は五輪2連覇の故・斉藤仁氏。親子二代での全日本制覇は史上初の快挙である。世界大会「三度目の正直」となるパリ五輪で、親子二代での世界一獲得に挑む。

柔道スタイルは引き手と前襟、あるいは奥襟の二本を持って戦う正統派。しっかりと組み合って崩し、理に適った技で仕留める、これぞ日本柔道というクラシカルな戦型を持ち味としている。

武器は身長191cm、体重165kgの恵まれた体格それ自体。身体の大きさに比して、高い敏捷性と柔軟性を備えている。さらに自身の体重を技に乗せる「体の使い方」に長けており、その巨体がスピードと柔らかさを伴ってぶつかる破壊力は相当なもの。自然災害のごとく「質量」そのもので相手を根こそぎ押し流してしまう様は、圧巻だ。左内股をはじめ、左体落、左大外刈、左払腰、左足車、左大内刈と重量級が備えるべきスタンダードな投げ技はひととおり押さえており、そのいずれもが得意技と言えるだけの精度と威力を兼ね備えている。

「寝技の国士舘」で磨かれた寝技も、大きな得点源。自身の重さを最大限に利用した寝技を行い、得意技術は相手を手前に引き込む「元谷返し」。基礎の練度も高く、相手の引き込みに対して脚をパスして抑え込む形も得意としている。

以前は組み手や試合構成力、寝技など課題も多かったが、大学入学以降の地道な強化により、そのすべてを克服。状況に応じて組み手や戦法を的確に変えられる高いレベルの戦術眼を身に付け、前述のとおり、寝技も十分に得点源と呼べるだけの技術レベルに達した。

弱点は大型ゆえのコンディショニングの難しさ。負傷も多く、なかなかベストパフォーマンスを発揮することができていない。戦力は十分に世界一に届く域に達しているはず。ピーキングが勝利の鍵となるはずだ。

おもな戦績

2022年 タシケント世界選手権 2位
2022年 ワールドマスターズ 優勝
2022年 全日本選手権 優勝

最近の成績

2024年6月 パンナムオープン・リマ 優勝
2024年5月 グランドスラム・カザフスタン 優勝
2024年3月 グランドスラム・アンタルヤ 2位

Judobase:https://judobase.ijf.org/#/competitor/profile/44248
Judoinside:https://judoinside.com/judoka/116503/Tatsuru_Saito/judo-career

更新日:2024年7月4日(パリオリンピック2024特集)
監修:eJudo編集部

ドーハ世界柔道選手権2023での記事

SAITO Tatsuru
21歳 2002/3/8
WR:5位 組み手:左組み

得意技:左内股、左体落、左大外刈、左払腰、左足車、左大内刈
使用技:右小外掛

2022年タシケント世界選手権銀メダリスト。同年のワールドマスターズでは優勝している。少年カテゴリ時代から将来の重量級のホープとして大きな期待を集めてきた大器。大学入学以降は怪我の多さもあってやや停滞したが、昨年4月の全日本選手権で2021年世界選手権王者の影浦心やリオデジャネイロ五輪銀メダリストの原沢久喜を破るなどして初優勝。ついにその才能を開花させた。父は五輪2連覇の故・斉藤仁氏。親子二代での全日本制覇は史上初の快挙である。今大会で、全日本選手権に続く、親子二代での世界一獲得に挑む。

身長191cm、体重165kgの恵まれた体格自体が最大の武器。身体の大きさに比して敏捷性、柔軟性が高い。さらに自身の体重を技に乗せる「体の使い方」に長けており、斉藤の巨体がスピードと柔らかさを伴ってぶつかる破壊力は相当なもの。自然災害のごとく、「質量」そのもので相手を根こそぎ押し流してしまう様は圧巻だ。左内股をはじめ、左体落、左大外刈、左払腰、左足車、左大内刈と重量級が備えるべきスタンダードな投げ技はひととおり押さえており、そのいずれもが得意技と言えるだけの精度と威力を兼ね備えている。寝技では相手の背中に着いてのローリングからの抑え込みを得意としている。

以前は組み手や試合構成力、寝技など課題も多かったが、大学入学以降の地道な強化により、そのすべてを克服。状況に応じて組み手や戦法を的確に変えることのできる高いレベルの戦術眼を身に付け、寝技も十分に得点源と呼べるだけの技術レベルに達した。

4月下旬の取材では、タシケント世界選手権のV逸を「すべてがわかっていなかった」とバッサリ。組み手、流れの掴み方、技の選択といった技術面、そして精神面を見直すべく、最後の追い込みに掛かっているとのことだった。今大会については「命にかえても勝ちたい大会」と表現。「絶対に勝つ」と腕を撫していた。

おもな戦績

2022年 タシケント世界選手権 2位
2022年 ワールドマスターズ優勝
2022年 全日本選手権 優勝

最近の成績

2023年3月 グランドスラム・タシケント 2位
2022年12月 ワールドマスターズ・エルサレム 優勝
2022年10月 タシケント世界選手権 2位

更新日:2023年4月29日(ドーハ世界柔道選手権2023完全ガイド)
監修:eJudo編集部

タシケント世界柔道選手権2022での記事

SAITO Tatsuru
20歳 2002/3/8
WR:34位 組み手:左組み

得意技:左内股、左体落、左大外刈、左払腰、左足車、左大内刈
使用技:右小外掛

今年の全日本選手権者。少年カテゴリの時代から日本重量級のホープとして期待を集めてきた大器。大学入学以降は怪我の多さもありやや停滞したが、コロナ禍の大会休止を経た昨年11月のグランドスラム・バクーでワールドツアー初参戦にして初優勝。さらに今年4月の全日本選手権では、昨年の世界選手権王者の影浦心やリオデジャネイロ五輪銀メダリストの原沢久喜を破るなどして初優勝を飾り、初の世界選手権代表の座を手にした。父は五輪2連覇の故・斉藤仁氏。親子二代での全日本制覇は史上初の快挙である。

191cmの身長と160kg超の恵まれた体をが最大の武器。常の選手なら巨体と引き換えに失ってしまうはずの敏捷性も重量級としてはむしろトップクラス、加えて高い柔軟性も備えている。「大きく、柔らかく、素早い」世界のどこにもいないタイプ。自身の体重を技に乗せることにも長けており、191センチ160キロの巨大質量がスピードと柔らかさを伴ってぶつかる破壊力は筆舌に尽くしがたい。自然災害のごとく、相手を根こそぎ押し流してしまう様は圧巻だ。左内股をはじめ、左体落、左大外刈、左払腰、左足車、左大内刈と重量級が備えるべきスタンダードな投げ技はひととおり押さえており、そのいずれもが得意技と言えるだけの精度と威力を兼ね備えている。寝技では相手の背中に着いてのローリングからの抑え込みを得意としている。

以前は組み手や試合構成力、寝技など課題も多かったが、大学入学以降の地道な強化により、そのすべてを克服。状況に応じて組み手や戦法を的確に変えることのできる高いレベルの戦術眼を身に付け、寝技も得点源と呼べるだけの技術レベルに達した。左小外刈などの釣り手側の外側に仕掛ける足技がないことなどまだ伸びしろは残すが、既に十分に世界の頂点に手が届くだけの実力があると見て間違いない。敢えて懸念を挙げるとすれば、巨体故に怪我が多く、コンディションが安定しないこと。

おもな戦績

2022年 全日本選手権 優勝
2021年 グランドスラム・バクー 優勝
全日本選抜体重別選手権 3位2度(2021年、2022年)

最近の成績

2022年4月 全日本選手権 優勝
2022年4月 全日本選抜体重別選手権 3位
2021年11月 グランドスラム・バクー 優勝

更新日:2022年10月11日(タシケント世界柔道選手権特集)
監修:eJudo編集部

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