講道館杯60kg級決勝、ミス認めて異例の「両者優勝」決める

ミスへの対応を巡り、試合は長時間中断した)

全日本柔道連盟は20日、10月31日に行われた講道館杯全日本柔道体重別選手権(兼全日本選抜柔道体重別選手権)60kg級決勝の、タイマー表示の誤りに端を発する運営の混乱に関する検証と対応を発表。運営上のミスを認めた上で、米村克麻(センコー)と小西誠志郎(国士舘大)の両者を優勝とするとした。

対応は、審判委員会・強化委員会・大会事業委員会・アスリート委員会の共同提言という形で発表された。提言は6つで、26日の常務理事会で報告・審議される。

(1) 両者を優勝とする (決定事項として報告)
(2) ブルー柔道衣を導入する (提案)
 ※視認性の向上を期すため
(3) 開始線の設置 (決定事項として報告)
 ※「指さし」によって、審判がいずれの側のスコアかを示すことを可能とするため
(4) 審議後の場内アナウンスの導入 (決定事項として報告)
(5) 国際柔道連盟試合審判規定理解の徹底 (決定事項として報告)
(6) タイマー操作の精度向上とミス発生時のリカバリープランの策定 (決定事項として報告)

柔道競技において、試合成立後勝敗が覆ることは極めて異例。併せて発表された経緯の検証も丁寧で、今後の再発防止策も考え得る範囲のほぼ上限と言っていいもの。これまでIJFの方針と前例に追従するのみと言って良かった日本が、「筋」を通すためにその先を行く形を採った(勝敗の変更、開始線の設置、場内アナウンスはIJFでは行われない)、画期的な内容となった。

全柔連は併せて、混乱発生の詳細な経緯を動画にまとめて発表。中里壮也大会委員長は「多くの柔道ファンの方々に混乱を招く事態となり、心よりお詫び申し上げます」とのコメントを寄せた。

経緯を詳細にまとめた動画、および4委員会の共同提言の詳細は下記から。

https://www.judo.or.jp/p/54407

関連記事一覧