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【東京世界柔道選手権2019特集】シード配置は予想通り、朝比奈と素根の準決勝が最大の山場・女子78kg超級直前展望

朝比奈沙羅
連覇を狙う朝比奈沙羅

エントリーは40名。「概況×有力選手」で示した予想からの、シード選手配置の変更はなし。階級の概況や恒例の「実力推測マップ」はこの「概況×有力選手」、選手の特徴や得意技などの紹介は「有力選手(選手名鑑)」を参照されたい。

優勝候補3名の配置は予想のとおり、イダリス・オルティス(キューバ)がプールA、朝比奈沙羅(パーク24)がプールC、素根輝(環太平洋大1年)がプールDに配された。

素根輝
素根輝

朝比奈と素根は準決勝で早くも激突することになる。ここがトーナメント最大の山場であり、同時に最大の注目カードだ。対戦の詳細なシミュレーションは「概況×有力選手」をご参照いただきたいが、ここで勝利した選手が東京五輪の代表レースで圧倒的な優位を手にすることとなる。両者の対戦は現在素根が5連勝中。しかし、その内容はいずれも紙一重の接戦だ。恐らくここが最後のシナリオの分岐点。両者が持てる力を出し合っての熱戦、そして文句のつけようのない「一本」による決着に期待したい。

一方、トーナメントの反対側からはイダリス・オルティス(キューバ)の勝ち上がりが確実。朝比奈、素根のどちらが勝ち上がったとしても相当に消耗していると予想され、かなり厳しい戦いになるはずだ。冷徹に勝敗を予想するならば、限りなくオルティス勝利の可能性が高いと言わざるを得ないだろう。ただし、日本勢にとってこの試合はあくまでもボーナスステージ。仮に敗れたとしても組み合わせ事情を考えれば大きく評価を落とすことはないはずだ。まずは決勝のことは完全に頭から消して、準決勝のライバル対決に集中してもらいたい。これが逆説的に決勝の内容にも繋がるはずだ。

有力選手の配置、各プールのひとこと展望は下記。

イダリス・オルティス
イダリス・オルティス

【プールA】
第1シード:イダリス・オルティス(キューバ)
第8シード:ベアトリス・ソウザ(ブラジル)
有力選手:エリザヴェータ・カラニナ(ウクライナ)

イダリス・オルティス(キューバ)が勝ち上がり候補。下側の山にはベアトリス・ソウザ(ブラジル)とエリザヴェータ・カラニナ(ウクライナ)が置かれているが、どちらが勝ち上がってきたとしても世界大会モードのオルティスとは勝負にならないはずだ。

【プールB】
第4シード:マリア=スエレン・アルセマン(ブラジル)
第5シード:イリーナ・キンゼルスカ(アゼルバイジャン)
有力選手:ワン・ヤン(中国)、サラ・アドリントン(イギリス)、テッシー・サフェルコウルス(オランダ)、サンドラ・ヤブロンスキーテ(リトアニア)、ニヘル・シェイフ=ルーフー(チュニジア)

トーナメント最大の激戦区。上側の山ではマリア=スエレン・アルセマン(ブラジル)とワン・ヤン(中国)が対戦する2回戦が大きな山場。大型選手のワンは技術的な粗さが目立つが、しっかりと組んでくれるアルセマンは戦いやすい相手だ。事実、これまでの対戦ではワンが2勝0敗と一方的に勝ち越している。ここの勝ち上がりはワンと予想。

一方、下側の山では2回戦でイリーナ・キンゼルスカ(アゼルバイジャン)とテッシー・サフェルコウルス(オランダ)がマッチアップする。両者の過去の戦績は1勝1敗。柔道が強いのはキンゼルスカなのだが、ご存知の通りこの選手はその巨体ゆえにスタミナに大きな問題を抱えている。一方のサフェルコウルスはこの階級随一の動ける選手。キンゼルスカは勝った試合でも負けた試合でもこの選手に引きずられ続け、試合終了の段階では虫の息だった。敗れた1回はまさに疲れすぎて「指導3」を失っての敗戦である。今回はこの両者の相性からサフェルコウルスの勝利と予想したい。この試合の勝者は次戦でニヘル・シェイフ=ルーフー(チュニジア)と戦うことになるが、ここも対キンゼルスカと同じロジックでサフェルコウルスの勝利と予想する。

よって、準々決勝はワン対サフェルコウルス。ワンはキンゼルスカやシェイフ=ルーフーと比べると機動力があり、サフェルコウルスに対して優位に試合を進められるものと思われる。両者に対戦歴はないが、ここは地力の差でワンの勝利と予想したい。

【プールC】
第2シード:朝比奈沙羅(パーク24)
第7シード:マリーナ・スルツカヤ(ベラルーシ)
有力選手:ホシェリ・ヌネス(ポルトガル)、アン=ファトゥメタ・ムバイロ(フランス)、サンタ・パケニテ(リトアニア)、カイラ・サイート(トルコ)

勝ち上がりの候補は朝比奈沙羅(パーク24)。準々決勝の相手はマリーナ・スルツカヤ(ベラルーシ)とカイラ・サイート(トルコ)の勝者になると予想される。スルツカヤとサイートの過去の対戦成績は1勝1敗。しかし、試合を見る限り地力ではサイートが大きく上回っており、直近の対戦でもサイートが勝っている。ここはサイート勝利を予想すべきだろう。朝比奈とサイートでは朝比奈の方が競技者として数段上だが、実は昨年1度敗れている来歴がある。すでにリベンジを果たしているものの、体幹の力に優れ常に際の返し技を狙ってくるサイートは朝比奈にとって嫌な相手。苦戦やむなしと割り切って戦いたい。勝敗自体はまず間違いなく朝比奈の勝利となるはずだ。

【プールD】
第3シード:ラリサ・セリッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
第6シード:素根輝(環太平洋大1年)
有力選手:イヴァナ・スタロ(クロアチア)、ヤスミン・クルブス(ドイツ)、ガリーナ・タラソワ(ウクライナ)、ハン・ミジン(韓国)、ラズ・ヘルシュコ(イスラエル)、アナマリ・ヴェレンセク(スロベニア)

上側の山からはラリサ・セリッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)の勝ち上がりが確実。下側の山も素根輝(環太平洋大1年)の勝ち上がりで間違いないが、こちらはある程度骨のある相手との対戦が組まれており、初戦(2回戦)でハン・ミジン(韓国)、次いで3回戦でアナマリ・ヴェレンセク(スロベニア)と戦うことになる。とはいえ、いずれも過去に2層0敗と勝ち越している相手。それ程苦労せずにベスト8進出が可能だろう。ヴェレンセクは寝技を得意としている選手のため、伏せ際や投げ際の関節技、絞技には気をつけたい。準々決勝はセリッチ対素根となるが、こちらも素根が過去2勝0敗のカード。そもそもセリッチは格下には必ず勝つが格上には勝てない、良くも悪くも安定感が売りの選手であり、まず遅れを取ることはないだろう。勝ち上がりは素根。

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