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【東京世界柔道選手権2019特集】アギアール、濵田、マロンガが優勝候補、三強は相性的な陰影濃し・女子78kg級概況×有力選手

濵田尚里
連覇を狙う濵田尚里

階級概況

世界選手権優勝2回のマイラ・アギアール(ブラジル)、現役世界王者の濵田尚里(自衛隊体育学校)、昨年来大きく力を伸ばしており地力ナンバーワンと目されるマドレーヌ・マロンガ(フランス)の3名が優勝候補。昨年までアギアール、濵田とともに三強に数えられたオドレイ・チュメオ(フランス)は今年に入ってから1度も表彰台に登っておらず、国内の代表争いに敗れて出場権を得られなかった。

マイラ・アギアール
マイラ・アギアール

この優勝候補3名のなかではアギアールが最も成績が安定しており、最有力はこの選手。濵田は寝勝負にさえ持ち込めば無敵だが、「立技の方が好き」と公言しているとおり立技にこだわりすぎてしまう部分があり、ここが不確定要素。いかに寝技に徹することができるかが最大のポイントだ。ここで優勝すれば国内のライバルに決定的な差をつけることができるだけに、今回は割り切って戦ってもらいたい。マロンガは濵田以上に成績が不安定であり、集中力を欠いての取りこぼしも多い。とはいえ、その爆発力は凄まじく、勢いに乗れりさえすれば、現状の階級最強はこの選手だろう。

そもそもこの階級はいったいに調子が不安定な選手が多く、有力選手が総崩れという結果も決して珍しくない。実力推測マップでも示したとおり、一応トップグループと第2グループに分けているものの、これはあくまで各選手の平均値の出来を比べたものだ。大会開始前にトーナメントの様相を予測することは困難、それどころか大会途中で突然崩れ始める選手も多く、最後までだれが勝利するのか全くわからない。優勝候補を中心にトップグループの選手が勝ち上がりの中心となるはずだが、第2グループの選手やノーマークの無名選手が上位に勝ち上がる展開も十分に考えられるだろう。

有力選手

随時更新。「東京世界選手権完全ガイド」トップページから、78kg級の「有力選手」ボタンをクリックして頂きたい。有力選手をピックアップして、その柔道の傾向と組み手、得意技や実績を紹介する。

シード予想

東京世界柔道選手権2019、女子78kg級シード予想
女子78kg級シード予想

マイラ・アギアール(ブラジル)とマドレーヌ・マロンガ(フランス)がともにトーナメント上側に配され、濵田尚里(自衛隊体育学校)のみが下側の配置を引いた。アギアールは準々決勝でここのところ好調のルイーズ・マルツァーン(ドイツ)と対戦予定となっており、ここが最初の山場となる。一方のマロンガは準々決勝でナタリー・パウエル(イギリス)と対戦予定。パウエルは正統派のパワーファイターであり、こちらは自滅さえしなければ問題なくベスト4に進出できるはずだ。アギラールとマロンガの試合は、スローペースな試合展開ならばアギアール、荒れた試合展開ならばマロンガに分があると思われる。ここはアギアールの勝利と予想しておきたい。

下側の山に配された濵田は準々決勝でマルヒンデ・フェルケルク(オランダ)、準決勝では恐らくフッシェ・ステインハウス(オランダ)とアナ=マリア・ヴァグナー(ドイツ)の勝者と対戦することとなる。いずれも濵田が寝技で勝負すればまず敗れることはない相手だが、濵田には相手の技を棒立ちで下がりながら受けてしまう癖があり、これが非常に心配。前技中心のフェルケルクはともかく、ステインハウスとヴァグナーとは立技の相性が悪いと思われ、「階級概況」でも述べたとおり、いかに寝勝負に徹することができるかが勝敗を分ける最重要ポイントだ。決勝の相手がアギアールであれば、有利なのは実は濵田。過去にアギアールに2戦2勝と勝ち越しており、相性は悪くない。アギアールの組み手があまりにも厳しく、実は逆に割り切って寝勝負に舵を切りやすいのではないかと観察するがその様相やいかに。

一方マロンガが勝ち上がってきた場合には相当厳しい戦いが予想される。マロンガは釣り手をひたすら肩越しに叩き入れながら大内刈や大外刈の後ろ技を仕掛けてくる型の選手であり、後退が弱点の濵田にとっては相性上の天敵。この場合は、できるだけ早い段階で寝技に引き込んで仕留めてしまいたい。

【プールA】
第1シード:マイラ・アギアール(ブラジル)
第8シード:ルイーズ・マルツァーン(ドイツ)

【プールB】
第4シード:マドレーヌ・マロンガ(フランス)
第5シード:ナタリー・パウエル(イギリス)

【プールC】
第2シード:フッシェ・ステインハウス(オランダ)
第7シード:アナ=マリア・ヴァグナー(ドイツ)

【プールD】
第3シード:濵田尚里(自衛隊体育学校)
第6シード:マルヒンデ・フェルケルク(オランダ)

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