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【東京世界柔道選手権2019特集】大野将平の力が突出、メダル争い最大の焦点は「一強」大野の組み合わせ配置・男子73kg級概況×有力選手

階級概況

東京世界柔道選手権2019、男子73kg級実力推測マップ
男子73kg級、「実力推測マップ」
大野将平 (ONO SHOHEI)
優勝候補は大野将平

2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストの大野将平(旭化成)の力が他を圧している。現在の73kg級で大野と戦える力を持つ海外勢は現役世界王者のアン・チャンリン(韓国)くらいだが、そのアンも今大会は頸椎のヘルニアを発症して欠場。他の選手については相性がどうこう以前に地力の時点で大野と大きな差があり、極端に言ってしまえばそもそも勝負にすらならない可能性が高い。見どころはもはや結果ではなく、そのプロセスにあると言ってしまっていいだろう。必ず勝つであろう大野がいかに葛藤を乗り越え、周囲の徹底研究を跳ねのけて頂点に辿り着くか。その一挙手一投足がすなわちこの日最大の見どころだ。

一方、2位以下の表彰台争いについては、前述アンの欠場、そして2017年世界王者の橋本壮市(パーク24)が国内の代表争いで大野に敗れて出場していないことにより、大混戦が予想される。実績では2016年、2017年の世界大会銀メダリストのルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)が有力だが、今年に入ってからはまだ優勝がなく、絶対的な存在とは言いがたい。トップグループ全員がメダル候補ということができるだろう。この階級のトップグループはオルジョフ、ラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ(ジョージア)、ガンバータル・オドバヤル(モンゴル)らの組み合って柔道を行う「正統派タイプ」と、トミー・マシアス(スウェーデン)、アルチュール・マルジェリドン(カナダ)、ツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)ら体力や飛び道具が売りの「曲者タイプ」に分けることができる。最近の大会では好不調に左右されにくい曲者タイプが結果を出す傾向にあるが、今回は全選手が照準を合わせて臨む世界選手権。この段階で誰が勝ち上がるのかを予想するのは困難だ。また、第2グループにも昨年のヨーロッパ選手権王者フェルディナンド・カラペティアン(アルメニア)や昨年の世界ジュニア選手権王者のビラリ・ジログル(トルコ)など力ある選手がおり、トップグループ入りを虎視眈々と狙っている。あくまでも勝ち上がりの中心はトップグループの面々と予想するが、これら第2グループの選手にも組み合わせ次第では上位進出の可能性は十分。

有力選手

随時更新。「東京世界選手権完全ガイド」トップページから、73kg級の「有力選手」ボタンをクリックして欲しい。有力15人をピックアップして、その柔道の傾向と組み手、得意技や実績を紹介する。

シード予想

東京世界柔道選手権男子73kg級シード予想
73kg級シード予想

優勝候補の大本命・大野将平(旭化成)がノーシードから大会を始めることとなる。大野自身はどこに配置されても問題なく勝ち上がるだろうが、その配置次第でトーナメントのバランスが根こそぎ変わることになるわけで、2位以下の順位争いに与える影響はまさしく甚大。ドロー当日までトーナメントの傾向がまったく読めない、シード選手たちにとっては勘弁してほしい事態のはずだ。

ルスタン・オルジョフ ORUJOV Rustam (AZE)
第1シードはルスタン・オルジョフ

シード選手に関しては第1シードのルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)がやや戦いやすいくらいで、他のプール3つはいずれも接戦確実。シード外にもツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)、デニス・イアルツェフ(ロシア)らメダル級の選手が多くおり、ドロー前のこの時点で組み合わせの有利不利を判断することは不可能だ。最大のジョーカーである大野を引くのは誰なのか、まずはドローに注目したい。

【プールA】
第1シード:ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)
第8シード:トハル・ブトブル(イスラエル)

【プールB】
第4シード:ヒダヤット・ヘイダロフ(アゼルバイジャン)
第5シード:アキル・ヤコヴァ(コソボ)

【プールC】
第2シード:ラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ(ジョージア)
第7シード:ガンバータル・オドバヤル(モンゴル)

【プールD】
第3シード:トミー・マシアス(スウェーデン)
第6シード:アルチュール・マルジェリドン(カナダ)

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