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【東京世界柔道選手権2019特集】芳田司と出口クリスタが優勝争い、好調シウバと躍進クリムカイトが割って入らんと腕を撫す・女子57kg級概況×有力選手

階級概況

東京世界柔道選手権2019、女子57kg級実力推測マップ
女子57kg級実力推測マップ
芳田司 Tsukasa YOSHIDA (JPN)
2連覇を狙う芳田司

現役世界王者の芳田司(コマツ)と昨年3位の出口クリスタ(カナダ)が優勝候補。ともに実力、成績、安定感で他の選手を大きく引き離しており、続く、図内「トップグループ」と比べても一段力が抜けている。今大会にはふたりにとって厄介な相手である玉置桃(三井住友海上)が出場していないこともあり、どちらもお互い以外に敗れる可能性は限りなく低いだろう。ただし2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストのラファエラ・シウバ(ブラジル)は、当日の調子次第でこの2名の間に割って入る可能性がある。シウバは階級随一の最高到達点の高さを持ちながら好不調の振れ幅が大きく、大会によっては序盤で姿を消すことも珍しくない不安定な選手。今回の「実力推測マップ」でも不確定要素として位置づけている。しかし今年に入ってからは精神的に一皮剥けた印象、実は出場した9大会のうち6大会で決勝進出を果たして長年の課題であった安定感を手に入れつつあるのだ。シウバに安定感が備わればまさに鬼に金棒。今大会はそれを見極める最終テストの場と位置づけることができるだろう。シウバは直近の2大会で優勝を飾っており、柔道の質も極めて良し。非常に良い流れのなかでこの大会を迎えている。表と裏のどちらが出るかは当日まで分からないが、もはやこれまでとステージの違う完成度高い選手に仕上がりつつある可能性も十分。芳田、出口ともに可能ならば戦いたくない非常に嫌な相手だ。なお、2017年世界王者のドルジスレン・スミヤ(モンゴル)は今大会にエントリーしていない。

出口クリスタ DEGUCHI Christa
芳田のライバルはクリスタ・デグチ

ここまでが優勝争いの圏内。続く表彰台争いの最有力選手は「トップグループ」の筆頭格であるジェシカ・クリムカイト(カナダ)。昨年来急激に力をつけてきており、同グループに属する他の選手から頭1つ抜けている。本来であれば優勝候補に加えても良いくらいなのだが、出口に過去5戦全敗という来歴を敢えて力の差と解釈してこのクラスタに位置付けた。とはいえ、既に平均値の出来でもメダルを獲得するだけの力を養っていると観察する。以降は昨年2位のネコダ・スミス=デイヴィス(イギリス)やノラ・ヤコヴァ(コソボ)らが後に続き、これにティムナ・ネルソン=レヴィー(イスラエル)、レン・チェンリン(台湾)らの第2グループ上位の選手を加えたところまでが現実的なメダル圏内。ただし第2グループにはキム・チス(韓国)、サハ=レオニー・シシク(フランス)ら伸び盛りの若手選手が多数含まれており、これらの選手が上位選手を食って勝ち上がるシナリオもひとつ頭に入れておきたい。

また、この階級には39歳のザブリナ・フィルツモザー(オーストリア)をはじめ、37歳のミリアム・ローパー(パナマ)、33歳のテルマ・モンテイロ(ポルトガル)らベテラン選手が多く参加している。いったいに息の長い選手が増えて来た女子柔道競技であるが、なぜかこの57kg級にはその代表格たちが集結。その練れた戦いぶりにも注目したい。

有力選手

随時更新。「東京世界選手権完全ガイド」トップページから、57kg級の「有力選手」ボタンをクリックして欲しい。有力15人をピックアップして、その柔道の傾向と組み手、得意技や実績を紹介する。

シード予想

東京世界柔道選手権2019、女子57kg級シード予想
女子57kg級シード予想
ラファエラ・シウバ SILVA Rafaela(BRA)
ラファエラ・シウバ

芳田司(コマツ)と出口クリスタ(カナダ)はそれぞれ第1、第2シードとして遇され、トーナメントの上下に配置が分かれた。組み合わせとしては芳田の方が厳しく、準決勝でラファエラ・シウバ(ブラジル)かジェシカ・クリムカイト(カナダ)と一戦交えねばならない。芳田にとって戦いやすいのはクリムカイト。できることならこの選手にシウバを倒しておいてもらいたいところだ。実はクリムカイトはシウバを得意としており、上位に定着した2018年からは3勝1敗と勝ち越している。シウバの調子が平均値付近に留まるようであればクリムカイトが上がってくると考えておいて良いだろう。ただし、もしここをシウバが勝ち上がってくるとすれば、それはすなわち好調、今大会「表の目」が出ている証でもある。芳田はシウバ相手には過去4勝1敗と勝ち越しているが、「好調のシウバ」は一段も二段もステージが違う。対戦あるとすれば相当警戒して戦う必要があるだろう。

一方の出口は準々決勝でテレザ・シュトル(ドイツ)、準決勝ではノラ・ヤコヴァ(コソボ)かネコダ・スミス=デイヴィス(イギリス)が相手。いずれもパワー型であるが、このタイプは試合巧者でもある出口にとっては比較的御しやすい相手だと考えられる。まず敗れることはないだろう。決勝進出までは確実。

芳田と出口はインターハイで決勝を争った長年のライバル。最後に戦ったのは昨年のバクー世界選手権準決勝で、その際は芳田がGS延長戦で左内股「技有」を奪って勝利している。この試合の芳田は内容でも押しており、完勝だった。あれから1年、出口も芳田を相当に意識して練習を積んできているはずで、そうそう同じ展開とはならないはず。熱戦必至だ。

【プールA】
第1シード:芳田司(コマツ)
第8シード:ティムナ・ネルソン=レヴィー(イスラエル)

【プールB】
第4シード:ラファエラ・シウバ(ブラジル)
第5シード:ジェシカ・クリムカイト(カナダ)

【プールC】
第2シード:クリスタ・デグチ(カナダ)
第7シード:テレザ・シュトル(ドイツ)

【プールD】
第3シード:ノラ・ヤコヴァ(コソボ)
第6シード:ネコダ・スミス=デイヴィス(イギリス)

 

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