マイリンダ・ケルメンディ(コソボ)

マイリンダ・ケルメンディ(コソボ) KELMENDI Majlinda

KELMENDI Majlinda
30歳 1991/5/9
WR:5位 組み手:左組み
得意技:左内股、左釣込腰、左釣腰
使用技:左払腰、左大腰、左腰車、左大外刈、隅落、浮落

2016年リオデジャネイロ五輪金メダリスト。ロンドン-リオ期の52kg級に「パワーの時代」を打ち立て、絶対王者としてその中心に君臨した。母国コソボがIOCに承認されていなかった2011年まではIJF所属として大会に参加、ロンドン五輪にもアルバニア代表として出場せざるを得なかったが、リオ五輪ではコソボ代表として出場し、紛争に苦しんだ母国に史上初の金メダルをもたらした。相手の背中や脇、帯を持って引きつけ、強引に腰技を叩き込む、典型的なパワーファイター。多少無理な姿勢からでも腰さえ掛かっていれば強引に投げ切ってしまう。2017年ブダペスト世界選手権後に背中と左膝を負傷し、約1年にわたって大会を欠場。復帰後も全盛期の力強さを見せることはまだ出来ておらず、直近の2大会でもともに3位に終わっている。これが単にコンディショニングによるものなのか、加齢による衰えなのかは意見が分かれるところ。このケルメンディの「見積り」は実はトーナメントを揺らす最大の変数である。

“あるく近柔”からのひとこと

「幼い頃からコソボのヘッドコーチであるトニー・クカ氏にコーチングを受けていました。当時は道場もなく、家の庭に畳を敷いて柔道をしていたとのこと。実はケルメンディ選手のお姉さんがクカ氏の奥様であり、つまりクカ氏とは義理の兄妹という関係に当たります。ここでコソボ柔道の情報を少々。コソボの柔道、練習スタイルは全てスロベニアの『サンカク』から取り入れています。クカ氏とサンカクのファビアン氏は仲が良く、コソボがまだ強くなかった頃から交流が深かったそうです。コソボは合宿期間中の携帯電話禁止、SNSの禁止、パーティーの禁止、男女交際禁止という厳しいルールを敷いていますが、これはすべてサンカクから取り入れたもの。ある日本人コーチがケルメンディ選手に『帰化を考えている選手がコソボに移籍したら強くなれるんじゃないか?』と質問したところ『強くなる可能性は物凄く高いけど、その前に練習やルールがキツ過ぎて皆辞めると思う』と答えてくれたとのこと。実際に帰化選手が何人か逃げ出しているそうです。それでも彼女たちが練習に耐えられるのはコーチであるクカ氏を信じているから、とは関係者の弁。」

※本名 甲斐田謙 太宰府少年武道会→基山中→西日本短大附高→東海大。現在ハンガリー・ツェグレード在住、同国のクラブで柔道指導に携わる。
https://twitter.com/Arukin0405

おもな戦績

2016年 リオデジャネイロ五輪 優勝
2014年 チェリャビンスク世界選手権 優勝
2013年 リオデジャネイロ世界選手権 優勝

最近の成績

2021年2月 グランドスラム・テルアビブ 3位
2021年1月 ワールドマスターズ・ドーハ 3位
2019年10月 グランドスラム・アブダビ 優勝

更新日:2021年7月18日(東京オリンピック特集)
監修:eJudo編集部

東京世界柔道選手権2019での記事

KELMENDI Majlinda
28歳 1991/5/9
WR:7位
組み手:左組み
得意技:左内股、左釣込腰、左釣腰
使用技:左払腰、左大腰、左腰車、左大外刈、隅落、浮落

2016年リオデジャネイロ五輪金メダリスト。ロンドン-リオ期の52kg級に「パワーファイターの時代」を築き上げ、絶対王者としてその中心に座り続けた。母国コソボがIOCに承認されていなかった2011年まではIJF所属として大会に参加、ロンドン五輪にもアルバニア代表として出場せざるを得なかったが、リオ五輪ではコソボ代表として出場し、紛争に苦しんだ母国に初となる金メダルをもたらした。柔道スタイルは階級随一のパワーを生かして相手の背中や脇、帯を持って引きつけ、強引に腰技を叩き込む豪快なもの。多少無理な姿勢からでも腰さえ掛かっていれば強引に投げ切ってしまう。2017年ブダペスト世界選手権後には背中と左膝を負傷し、約1年にわたって大会を欠場した。昨年(2018年)10月に復帰して以降はワールドツアー3大会とヨーロッパ選手権で優勝を飾るなど十分な結果を残しているものの、以前に比べると好不調の波が激しく、まだ全盛期ほどの強さは見せていない。

おもな戦績

2017年 ブダペスト世界選手権 5位
2016年 リオデジャネイロ五輪 優勝
2014年 チェリャビンスク世界選手権 優勝
2013年 リオデジャネイロ世界選手権 優勝

最近の成績

2019年7月 グランプリ・ブダペスト 5位
2019年6月 ヨーロッパ選手権 優勝
2019年2月 グランドスラム・デュッセルドルフ 優勝

更新日:8月14日(東京世界柔道選手権2019特集)

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