出口クリスタ(カナダ)

出口クリスタ(カナダ) DEGUCHI Christa

DEGUCHI Christa
階級:57kg級 WR:1位
28歳 1995/10/29
組み手:右組み

得意技:右大外刈、右大外落、右大外巻込、右大内刈、右足車、巴投、寝技
使用技:右小外刈、右背負投、右払腰、右小内刈、右小内巻込、裏投、右山嵐
寝技得意技術:「ボーアンドアローチョーク」、「腕緘返し」

世界選手権の金メダルを2度(2019年、2023年)獲得している階級の顔。2024年アブダビ世界選手権では2位、2018年バクー世界選手権 では3位を獲得している。カナダ人の父と日本人の母の間に生まれ、2017年にカナダ国籍を取得した。

正統派の足技系。袖と襟の二本を持って柔道を行う正統派であり、切れ味鋭い投げに、鍛え込まれた寝技と、全方位に隙がない。一言で言って完成度の高い選手だ。技術面の精度の高さがクローズアップされがちだが、最大の武器は体の力の強さ。これを前提に、丁寧な組み手と足技で相手を崩しつつ、常に相対的優位をキープしながら戦う。

釣り手の持ちどころの多さも大きな武器であり、二本持っての基本形のほか、片襟、両袖、脇差しなど、状況に応じて様々な位置を持って技を仕掛けることができる。得意技は低く潜り込むように仕掛ける右大外刈(大外落)。右大内刈も高い取り味を誇り、低く刈り倒して、クロスグリップで浴びせ倒してと複数のパターンを使い分ける。右足車も得意としており、度々印象的な「一本」を見せている。最近は巴投による得点も増えており、ノーマルな形のほか、相手の股中に片足を滑り込ませながら懐深く潜り込み、片足で支え、先に差し入れた逆の足で相手の股中を蹴り上げる「角田式」も用いている。

寝技も多彩であり、展開力も高い。伏せ際の「ボーアンドアローチョーク」のほか、「腕緘返し」や頭側に回り込みながら捲る形、正面から相手の脚をパスする形など、様々な技術を使い分ける。

ジェシカ・クリムカイト(カナダ)とはライバル関係。東京五輪には国内の代表争いに敗れ、出場していない。当初カナダの五輪代表は「世界ランク8位以上の2人による直接対決の三番勝負」で決定される予定となっており、6勝0敗と大きく勝ち越している出口が有利と目されていた。しかし、コロナ禍で決定戦の実施が困難となり、選考方法は「202年ハンガリー世界選手権の成績上位者がそのまま選ばれる形」に変更。出口は同大会の準決勝で玉置桃(三井住友海上)に右大外巻込「技あり」で敗れてしまい、クリムカイトがその時点ですでに決勝進出を決めていたことから、出場を逃した。

パリ五輪の代表争いでも、出口とクリムカイトは最後まで競り合うこととなり、決着は最終戦のアブダビ世界選手権までもつれ込んだ。国内ポイントでリードしていた出口は「決勝に進出した時点で代表が決まる」状況で大会を迎え、今回も同じ準決勝で玉置と対戦。今度は反対に自らが右大外巻込「技あり」で勝利し、過去の因縁に決着をつけるとともに、自身初となる五輪代表の座を掴み取った。

日本国内でも知名度、人気ともに高い。SNSでの発信にも積極的で、日々ファンと交流している。

おもな戦績

2023年 ドーハ世界選手権 優勝
2019年 東京世界選手権 優勝
2024年 アブダビ世界選手権 2位

最近の成績

2024年5月 アブダビ世界選手権 2位
2024年5月 グランドスラム・カザフスタン 優勝
2024年4月 パンナム・オセアニア選手権 2位

Judobase:https://judobase.ijf.org/#/competitor/profile/41546
Judoinside:https://www.judoinside.com/judoka/83508/Christa_Deguchi/judo-career

更新日:2024年7月4日(パリオリンピック2024特集)
監修:eJudo編集部

ドーハ世界柔道選手権2023での記事

DEGUCHI Christa
27歳 1995/10/29
WR:2位 組み手:右組み

得意技:右大外刈、右大外落、右大内刈
使用技:右小外刈、右背負投、右足車、右払腰、右小内刈、右小内巻込

2019年東京世界選手権金メダリスト。2018年バクー世界選手権 でも3位を獲得している。カナダ人の父と日本人の母の間に生まれ、2017年にカナダ国籍を取得した。2021年6月のハンガリー世界選手権以降は長く大会に出場していなかったが、昨年4月に競技復帰。以降は再び階級のトップ層に位置している。

袖と襟の二本を持って柔道を行う正統派。切れ味ある投げに鍛え込まれた寝技と、全方位に隙がない。一言で言って完成度の高い選手だ。技術面の精度の高さがクローズアップされがちだが、最大の武器は体の力の強さ。これを前提に、丁寧な組み手と足技で相手を崩しつつ、常に相対的優位をキープしながら戦う。ゆえに不用意な失点も少ない。

得意技は低く潜り込むように仕掛ける右大外刈(大外落)。右大内刈も高い取り味を誇り、低く刈り倒して、クロスグリップで浴びせ倒してと複数のパターンを使い分ける。

東京五輪は国内のライバルのジェシカ・クリムカイトの後塵を拝す形となり、出場していない。当初カナダの五輪代表争いは、世界ランク8位以上の2人による三番勝負の直接対決によって決定される予定で、ライバルのクリムカイトに6勝0敗の出口が有利と予想されていた。しかし、コロナ禍で実施が困難となり、選考方法は6月のハンガリー世界選手権の成績上位者がそのまま選ばれる形に変更。出口は同大会の準決勝で玉置桃に敗れてしまい、クリムカイトがその時点ですでに決勝進出を決めていたため、出場を逃した。東京五輪前年の時点では、世界王者の出口が実績・対戦成績ともに圧倒。他の強豪国であればクリムカイトは代表に挑戦することすら難しかったはず。ハイランカー2人が存在する事態を想定していなかったカナダの制度不備と、コロナ禍による再三の制度変更に揉まれた末の、悲運の結末だった。

日本国内にファンが多く、SNSでよくファンと交流している。

おもな戦績

2019年 東京世界選手権 優勝
2018年 バクー世界選手権 3位
2021年 ハンガリー世界選手権 5位

最近の成績

2023年3月 グランドスラム・アンタルヤ 2位
2023年2月 グランドスラム・テルアビブ 2位
2022年12月 ワールドマスターズ・エルサレム 優勝

更新日:2023年5月7日(ドーハ世界柔道選手権2023完全ガイド)
監修:eJudo編集部

タシケント世界柔道選手権2022での記事

DEGUCHI Christa
27歳 1995/10/29
WR:13位 組み手:右組み

得意技:右大外刈、右大外落、右大内刈
使用技:右小外刈、右背負投、右足車、右払腰、右小内刈、右小内巻込

2019年東京世界選手権金メダリスト。カナダ人の父と日本人の母の間に生まれ、2017年にカナダ国籍を取得した。

袖と襟の二本を持って柔道を行う正統派。切れ味ある投げに鍛え込まれた寝技と全方位に隙がない、完成度の高い選手だ。技術面の精度の高さも大きな強みだが、最大の武器は体の力の強さ。これを前提に、丁寧な組み手と足技で相手を崩しつつ、常に相対的優位をキープしながら戦う。ゆえに不用意な失点も少ない。得意技は低く潜り込むように仕掛ける右大外刈(大外落)。右大内刈も高い取り味を誇り、低く刈り倒して、クロスグリップで浴びせ倒してと複数のパターンを使い分ける。東京五輪銅メダリストの芳田司(コマツ)とは高校時代にインターハイ決勝を争った同学年のライバル同士。

東京五輪は国内のライバルのジェシカ・クリムカイトの後塵を拝す形となり、出場していない。当初カナダの五輪代表争いは、世界ランク8位以上の2人による三番勝負の直接対決によって決定される予定で、ライバルのクリムカイトに6勝0敗の出口が有利と予想されていた。しかし、コロナ禍で実施が困難となり、選考方法は6月のハンガリー世界選手権の成績上位者がそのまま選ばれる形に変更。出口は同大会の準決勝で玉置桃(三井住友海上)に敗れてしまい、クリムカイトがその時点ですでに決勝進出を決めていたため、出場を逃す形となった。
東京五輪前年の時点では、世界王者の出口が実績・対戦成績ともに圧倒。他の強豪国であればクリムカイトは代表に挑戦することすら難しかったはず。しかし急激にレベルの上がったカナダの制度が実情についていけておらず(関係者によると、世界ランク8位以上の超強豪が複数現れることなどかつては想定外であったとのこと)、これによってさらなる直接対決を課せられることとなり、らにコロナ禍でこれも変更。今度は肝心の直接対決がないまま、1大会のみの結果で五輪代表の座を攫われてしまった。五輪金メダルの有力候補でありながら、度重なる制度変更に揉まれた末に出場すら出来ず。コロナ禍に翻弄されたひとである。

おもな戦績

2019年 東京世界選手権 優勝
2018年 バクー世界選手権 3位
2021年 ハンガリー世界選手権 5位

最近の成績

2022年7月 グランプリ・ザグレブ 優勝
2022年4月 グランドスラム・アンタルヤ 5位
2021年6月 ハンガリー世界選手権 5位

更新日:2022年10月5日(タシケント世界柔道選手権特集)
監修:eJudo編集部

東京世界選手権2019での記事

DEGUCHI Christa
23歳 1995/10/29
WR:2位
組み手:右組み
得意技:右大外刈、右大外落、右大内刈
使用技:右小外刈、右背負投、右払腰

2018年バクー世界選手権銅メダリスト。カナダ人の父と日本人の母の間に生まれ、2017年にカナダ国籍を取得した。切れ味ある投げに隙のない寝技と隙の少ない選手だが、最大の武器は体の強さ。これをベースに足技を中心に試合を組み立てる。得意技は低く潜り込むように仕掛ける右大外刈(大外落)。右大内刈も高い取り味を誇り、低く刈り倒して、クロスグリップで浴びせ倒してと複数のパターンを使い分ける。丁寧な組み手と足技を基本とし、相対的優位を確保しながら相手を崩し続ける正統派スタイル、ゆえに失点が少ない。寝技も高い水準。全てのパラメータが高いレベルでバランスしている非常に完成度の高い選手だ。日本代表の芳田司とは高校時代にインターハイ決勝を争った同学年のライバル同士。美人柔道家としても知られている。今年に入ってからはまだ1度も敗れておらず(欠場による不戦敗含まず)、上半期全勝の勢いに乗ってこの世界選手権で初の頂点取りに挑む。

おもな戦績

2019年 グランドスラム・パリ 優勝
2018年 バクー世界選手権 3位
2018年 グランドスラム・パリ 優勝

最近の成績

2019年7月 グランプリ・モントリオール 優勝
2019年4月 パンナム選手権 優勝
2019年3月 グランドスラム・エカテリンブルク 優勝

更新日:8月23日(東京世界柔道選手権2019特集)

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