[随時更新]日本代表選手勝ち上がり速報・全試合戦評/グランドスラム・バクー2021第1日

日時:2021(令和3)年11月5日(金)
会場:ヘイダル・アリエフ・スポーツアリーナ(アゼルバイジャン)

男子60kg級

近藤隼斗(国士舘大2年) 3位
【1回戦】

近藤隼斗〇横四方固(3:56)△ツラン・バイラモフ(アゼルバイジャン)
近藤左、バイラモフ右組みのケンカ四つ。
残り14秒、両襟から左大内刈でドスンと投げ切り「技有」。横四方固に抑え込むと相手が「参った」。
【準々決勝】
近藤隼斗〇大外返(3:44)△ニコラエ・フォーカ(モルドバ)

左相四つ。「指導」1つリードで迎えた終盤、相手が釣り手で背を抱き引き手で後帯を握る特攻を見せる。近藤二本を持ったまま迎え撃ち。挟み込んで横変形の形を強いる。フォーカが左大外刈の動きを見せると、先んじて動いて大外刈で刈り返す。呼び込み戻した形で大きく投げ切り「一本」。
【準決勝】
近藤隼斗△GS技有・小内巻込(GS0:36)〇アルベルト・オグゾフ(ロシア)

左相四つ。近藤、引き手を先に得ては左一本背負投に片襟の左背負投と打点の高い担ぎ技を放ってペースを掴む。崩しては寝技に持ち込んで主導権を取り続け、1分57秒にはオグゾフに「指導」。しかし投げ切れぬまま後半はこの技が崩し技に留まり、試合徐々に膠着してGS延長戦へ。組み際、オグゾフが遠間から右小内巻込。入りは浅いかに見えたが長い脚で固定、大きく乗り込んで「技有」。
【3位決定戦】
近藤隼斗〇GS合技[大外刈・背負投](GS0:49)△アフマド・ユシフォフ(アゼルバイジャン)

近藤左、ユシフォフ右組みのケンカ四つ。ユシフォフ釣り手で背中を深く抱える戦型。近藤の釣り手は前襟ベース。手先の組み手争いとなった1分8秒、近藤に組み手を叩き切ったとの咎で「指導」。1分24秒、思い切って左背負投もかわされ、その立ち上がり際にユシフォフ後帯を掴んで隅返。近藤まともに食って「技有」。近藤前に出るとユシフォフ守勢となって掛け潰れが増え自らペースを失う。2分17秒、近藤完璧に組むと左前隅に引きずり、左大外刈。重心移動に技をかち合わされたユシフォフずるりと畳に落ちて「技有」。近藤は小外刈に左背負投、しつこい寝技と激しく攻め、主導権を完全に取ってGS延長戦へ。延長も攻め続け、左大外刈、左小外刈と繋いで左背負投に連絡。いったん膝を着かれたが飛び込むように押し込んで「技有」。逆転勝ちで3位を確保。

男子66kg級

田中龍馬(筑波大2年)  3位

【2回戦】
田中龍馬〇袖釣込腰(1:07)△ダニーロ・フロペツキー(ウクライナ)
右相四つ。奥襟を絞り落とし開始1分に左袖釣込腰で「技有」。直後、一方的に組み勝つと打点高右袖釣込腰。緩やかながら深く投げ切り。「一本」
【準々決勝】
田中龍馬〇釣腰(2:56)△ヤクブ・シャミロフ(ロシア)

田中が右、シャミロフ左組みのケンカ四つ。苦しい試合、「指導1」ビハインドも、背中を叩き返して右小外掛で勝負に出る。低く入り、立ち上がり際に相手が密着に応じ続けると後帯を掴んで右釣腰一撃。僅かに内股様に脚を揚げ、降ろすと踏ん張って叩きつけ「一本」。
【準決勝】
田中龍馬△優勢[技有・出足払]〇デニス・ヴィエル(モルドバ)

右相四つ。厳しい袖の絞り合い。58秒、引き手で袖を得たヴィエル釣り手で片襟を差したまま素晴らしい左出足払。吹っ飛んだ田中体側を着いてしまい、いったんスルーも事後この技に「技有」が与えられる。追撃態勢の田中たびたび思い切った右袖釣込腰を放つがヴィエルは柔らかく吸収。田中、組み手を嫌い過ぎず敢えて絞らせたまま前に出ていったんペースを掴み掛けるが、ヴィエル今度は絞らず手先で突くことを徹底、田中を近づけない。そのまま終戦となる。
【3位決定戦】
田中龍馬〇優勢[技有・袖釣込腰]△相田勇司
右相四つ。始まるなり田中が打点高く右袖釣込腰、投げ切って「技有」確保。そのままローリングで展開、横四方固に抑え込む。合技「一本」で試合決着かと思われたが相田辛くも逃れ「待て」。残り1分を切り、田中の右背負投を相田ががっちり止めると、跨いで腕挫十字固。腕が伸びてもはや極まったかに思われたが、田中30秒近くにわたって耐え切り「待て」。この時点で残り時間は14秒。このまま田中の勝利が決まった。

相田勇司(國學院大4年) 5位
【1回戦】
相田勇司〇GS反則・指導3(GS2:41)△イブラヒム・アリエフ(アゼルバイジャン)
相田右、アリエフ左組みのケンカ四つ。「指導」1-2ビハインドとなったGS延長戦1分32秒からよく攻め、片手の右小内刈から左一本背負投に繋いで「技有」も取り消し。この勢いのまま「指導3」を得て終了。
【2回戦】
相田勇司〇GS片手絞(GS1:00)△ヴァジャ・マルグヴェラシヴィリ(ジョージア)

相田が右、マルグヴェラシヴィリ左組みのケンカ四つ。マルグヴェラシヴィリ徹底的に背中を掴むが、相田良い動きで捌き、肩車、左小内刈と技を継いで対抗。「指導」差2-1のビハインドで迎えたGS延長戦、横方向への巴投で伏せさせると勢いを止めずに被さり「ボーアンドアローチョーク」。「参った」で勝負あり。相田、五輪銀メダリストを打倒。
【準々決勝】
相田勇司△合技[隅落・隅落](3:51)〇イェフェン・ホンチャルコ(ウクライナ)

右相四つ。「指導」1つビハインドの3分26秒、左小外掛様の横落に入らんとしたところを先んじて押し込まれ、「技有」失陥。残り時間僅かとなって吶喊、下がる相手に左小外掛から裏投を試みんとするがクルリと振り向かれ、自爆する形で2つ目の「技有」を失う。
【敗者復活戦】
相田勇司〇GS反則[指導3](GS0:46)△エリック・タカバタケ(ブラジル)

相田が右、タカバタケ左組みのケンカ四つ。立っては担ぎ技に足技、肩車、崩れればすぐさま寝技とソツなく攻め、相手の技にはきっちり隅落を狙う。反則累積差3-0で完勝。
【3位決定戦】
相田勇司△優勢[技有・袖釣込腰]〇田中龍馬
※前掲のため省略

女子48kg級

立川莉奈(福岡県警察) 優勝

【1回戦】
立川莉奈〇GS反則[指導3](GS1:23)△ナタリー・コレイン(ドイツ)
立川右、コレイン左組みのケンカ四つ。奥襟叩かれて圧を受ける苦しい展開もしぶとく戦い、最後はコレインに場外の「指導」。反則累積差3-1で勝利。
【準々決勝】
立川莉奈〇優勢[技有・隅落]△サビーナ・ギリアゾワ(ロシア)
右相四つ。奥襟圧力に苦しみ「指導2」失陥もしぶとく盛り返す。残り31秒、相手の大外刈を先んじて崩し、相手の釣り手を後(うしろ)手に制しながら泥臭く押し込み「技有」。関節を極めながら投げたとの反則は取られず、これが決勝点となった。
【準決勝】
立川莉奈〇後袈裟固(2:05)シャファグ・ハミドワ(アゼルバイジャン)
右相四つ。「指導1」リードから低く右背負投。いったん止められたが粘って伏せさせ、そのまま右腕を極めに掛かる。これをテコに回し、無理やり腕を伸ばし、押し込み回して後袈裟固。ほどなく「参った」。腕を傷めたハミドワ、立てず。
【決勝】
立川莉奈〇横掛(0:57)△カタリナ・タンツェル(オーストリア)
立川右、タンツェル左組みのケンカ四つ。引き手袖、釣り手奥襟で一方的に組み勝ち、頭を下げさせたまま小内刈で攻める。50秒、タンツェルに消極的試合姿勢の「指導」。再び袖、奥襟と一方的に握って場外際まで押し込み、後帯を掴んで一瞬腰を切って前技フェイント。ここから隅返様に体を捨てる。相手の反応で作用足が外側に掛かり、刈りながら体を捨てた形。大きく投げ切り横掛「一本」。


女子52kg級

坪根菜々子(福岡大4年) 1回戦敗退

【1回戦】
坪根菜々子△GS技有・隅落(GS0:41)〇ディストリア・クラスニキ(コソボ)
右相四つ。奥襟圧力食らうも、引き手で襟を掴んで支釣込足などよく攻め返し、片手の大外刈であわやという場面も作る。健闘。GS延長戦、右大外刈も耐えられて仰け反ってしまい、クラスニキが体を進めて返し「技有」。

 

女子57kg級

玉置桃(三井住友海上) 優勝

【準々決勝】
玉置桃〇GS反則[指導3](GS6:10)△ラグワトゴー・エンフリーレン(モンゴル)
右相四つ。ともに組み手厳しく、技出し早く、かつ低く、先手攻撃から掛け潰れることを繰り返す展開となる。粘り合いの末に、試合時間10分を超えて「指導」3-2で玉置が勝利。
【準決勝】
玉置桃○優勢[技有・小内巻込]△マリア・ホルグイン(アメリカ)
ともに右組みの相四つ。お互いに相手の釣り手を絞り合う展開から、2分47秒、玉置が上体を一本背負投の形に抱えた左小内巻込「技有」。以降は再び袖の絞り合いで相手に何もさせず、そのまま優勢勝ち。
【決勝】
玉置桃〇崩上四方固(2:12)△ムンフツェデフ・イチンホルロー(アゼルバイジャン)
右相四つ。玉置丁寧に組み手を作るも、「草刈り」様の真捨身技で引き込み潰れて機会を逃し「待て」。イチンホルローは左構えで引き手は襟。玉置嫌って自ら右の巻き込みの形で潰れ「待て」。イチンホルロー、組み手を整えると左袖釣込腰の回転から所謂「モラエイ」。狙い、タイミングともに非常に良い技だったが投げ切ろうと粘り過ぎ、体勢が不安定となる。体の力で耐えた玉置眼前に残った腕を取って極め、押し込み制して崩上四方固に移行。そのまま「一本」。

柴田理帆(JR東日本) 1回戦敗退

【1回戦】
柴田理帆△優勢[技有・体落]〇ラグワトゴー・エンフリーレン(モンゴル)
柴田左、ラグワトゴー・エンフリーレンが右組みのケンカ四つ。「指導」2-1でリードした残り1分32秒右体落で「技有」失陥。取り返せず終戦。

 

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