村尾三四郎(JESグループ)

2019.07.08
2024.07.21

MURAO Sanshiro
階級：90kg級　WR：3位
23歳　2000/8/28
組み手：左組み

得意技：左大外刈、左大内刈、左内股、左足車
使用技：左小内刈、左小外刈、左小外掛、左出足払、左体落、谷落、支釣込足(釣り手側)、隅落
寝技得意技術：「横三角」、「腰絞め」

2023年ドーハ世界選手権銅メダリスト。2022年にはワールドツアー最高峰大会のワールドマスターズで優勝している。中学時代から国内の世代別タイトルを総なめ、次代の日本を担う選手として期待を集めた若手世代のホープ。

袖と襟の二本を持って戦う正統派。強みは、長い手足が生み出す独特の間合いと、組み力の強さ、そして何よりも投げのセンス。遠間からがっしりと相手を組み止め、一瞬で間合いを詰めて豪快に投げ飛ばしてしまう。特に左大外刈は迫力抜群。遠間、瞬間的な詰め、決めの豪快さと、村尾の柔道を体現した技となっている。ほかにもケンケンで追い込む左大内刈や、左足車、足車理合いで仕掛ける回し込み式の左内股も得意としており、いずれも高い取り味を誇る。

立技が強すぎるためにそれほど積極的ではないが、寝技も高水準。特筆すべき代表的な技術はないものの、基礎の練度が高く、有利な状態からならば斉藤立(JESグループ)も抑え切ってしまう。

かつては線の細さゆえにパワーファイターや曲者タイプへの対応に難があったが、コロナ禍による大会休止期間にフィジカルを大幅強化。組み手技術の向上も相まって、二本持ちさえすれば、階級上位のパワー派とも正面から伍することができる組み力を手に入れた。もともと細い見た目の割に体の芯に力がある選手だったが、いまや「見た目の割に」という条件節は不要だ。

弱点は二本持たなければ自分の柔道ができないこと。釣り手だけを持った状態から仕掛けられる技がないため、これまで敗れた試合の多くは、片手状態から抱き着かれる、巻き込まれる、先手攻撃で手数を積まれるなど、組み手の完成前に攻められてのものだった。ただし、これも昨年来改善傾向にあり、引き手で前襟を持っての左大内刈や、釣り手一本状態からの釣り手方向への支釣込足、前方向へのいなしなど、十分に組めなくても攻められる手札を増やしている。

おもな戦績

2023年　ドーハ世界選手権　3位
2022年　ワールドマスターズ・エルサレム　優勝
グランドスラム　優勝5回

ドーハ世界柔道選手権2023での記事

MURAO Sanshiro
22歳 2000/8/28
WR：2位組み手：左組み

得意技：左大外刈、左大内刈、左内股、左足車
使用技：左小内刈、左小外刈、左小外掛、左体落

2022年ワールドマスターズ王者。中学時代から国内の世代別タイトルを総なめ、次代の日本を担う選手として期待を集めたこの世代のホープ。昨年からは出場した国際大会6大会すべてで表彰台に上がっており、優勝4回と好調を維持している。世界ランクも2位まで上がっており、今大会で悲願の世界一を狙う。

強みは、長い手足が生み出す独特の間合いと、組み力の強さ、そして何よりも投げのセンス。遠間からがっしりと相手を組み止め、一瞬で間合いを詰めて豪快に投げ飛ばしてしまう。特に左大外刈は迫力抜群。遠間、瞬間的な詰め、決めの豪快さと、村尾の柔道を体現した技となっている。さらｎケンケンで追い込む左大内刈に、左内股、左足車、いずれも高い取り味を誇る。

かつては線の細さゆえにパワーファイターや曲者タイプへの対応に難があったが、コロナ禍による大会休止期間にフィジカルを大幅強化。組み手技術の向上も相まって、二本持ちさえすれば、階級上位のパワー派とも正面から伍することができる組み力を手に入れた。もともと細い見た目の割に体の芯に力がある選手であったが、いまや「見た目の割に」という条件節は不要だ。

弱点は二本持たなければ自分の柔道ができないこと。釣り手だけを持った状態から仕掛けられる技がないため、これまで敗れた試合の多くは、片手状態から抱き着かれる、巻き込まれる、先手攻撃で手数を積まれるなど、組み手の完成前に攻められてのものとなっている。

出発直前の取材では「不十分な状態でも掛けられる技」「足技と連動して早く二本持つ技術」の上積みを図っているとのことだった。本番で何を見せてくれるか、期待したい。

おもな戦績

2022年ワールドマスターズ・エルサレム優勝
2022年グランドスラム・パリ優勝
2021年グランドスラム・カザン優勝

ブタペスト世界柔道選手権2021での記事

MURAO Sanshiro
20歳 2000/8/28
WR：19位
組み手：左組み
得意技：左大外刈、左大内刈、左内股
使用技：左小内刈、左小外刈、左小外掛、左体落

中学時代から国内の世代別タイトルを総なめ、次代の日本を担う選手として期待を集めたこの世代のホープ。2019年東京世界選手権では男女混合団体戦メンバーにも抜擢された。昨年秋には講道館杯を連覇、一気に初のシニア世界選手権個人戦代表の座を射止めた。5月のグランドスラム・カザンでは世界の一線級を投げまくり、全試合「一本」の圧勝V。東京五輪金メダル候補の筆頭ミハイル・イゴルニコフ(ロシア)も大外刈一発で畳に沈め、IJFの実況者を「今からでも五輪に出られないのか？」と呆気にとらせた。いまや90kg級の世界最注目選手といっても過言ではない。2018年世界王者のニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)ら難敵打ち揃う階級だが、初出場初優勝の可能性は十分だ。

村尾の強みは体の強さと、独特の投げのセンス。遠間から一瞬で間合いを詰めて投げ飛ばす姿は、手足の長いエイリアン的な体型もあいまって「捕食」とでもいうべき迫力がある。得意技は遠間から一気に刈り込む左大外刈、ケンケンで追い込む左大内刈や左内股も取り味抜群。かつては線の細さゆえパワーファイターや曲者タイプの対応に難があったが、大会休止期間にフィジカルを大幅強化。組み手技術の向上も相まって、5月のグランドスラム・カザンでは海外のトップ選手相手に正面からがっぷり組み合う、新たな「ガチ勝ち」モードを見せてくれた。もともと細い見た目の割に体の芯に力がある選手であったが、いまや「見た目の割に」という条件節は不要。2021年夏、日本にニューヒーロー誕生の予感が漂う。