阿部詩(パーク24)
ABE Uta
階級:52kg級 WR:9位
23歳 2000/7/14
組み手:右組み
得意技:右内股、右袖釣込腰、右一本背負投、右大外刈、右大外落、寝技
使用技:右大内刈、右小内刈、右小外刈、右背負投、右腰車、肩車、隅落、浮落
寝技得意技術:腕緘、「腕緘返し」、「腹包み」
この階級の絶対王者。東京五輪では、兄の阿部一二三(パーク24)とともに、五輪史上初となる兄妹同日優勝を果たした。世界選手権でも4度(2018年、2019年、2022年、2023年)の優勝歴がある。2023年のドーハ世界選手権では、もっか最強の挑戦者と位置づけられるアモンディーヌ・ブシャー(フランス)をまったく相手にせず。何もさせぬまま「指導2」まで奪い、GS延長戦にすら持ち込ませず大外刈「一本」。強敵ばかりとの5試合を延長ゼロのオール「一本」で駆け抜けた。
スタイルは「超攻撃型」。奥襟、背中、片襟、両袖と極端に攻撃に振った型の組み手から次々大技を仕掛け、豪快に投げつける。スピード、パワーともに階級トップクラス、方法論の確かさはもちろんだが、単純な身体能力の比較でも遅れを取ることはない。
得意技は右内股に右袖釣込腰、右一本背負投、右大外刈と大技ばかり。右内股は高く跳ね上げる、あるいは相手の両手をまとめて低く回すなど、状況に応じて複数のタイプを使い分ける。寝技では腕緘と「腕緘返し」「腹包み」を得意としており、「腹包み」から後方に押し込んで抑え込む、「腕緘返し」で耐えられたところから敢えて横に転がり、絡ませた脚を抜いて抑え込むなど、展開力も高い。
常に新しい技術に取り組み続けており、かつて苦手だった寝技はいまや得点源。東京五輪前からは担ぎ技と足技、前襟を持っての攻防を強化してきており、現在ではいずれも実戦レベルで使える武器に仕上がっている。
おもな戦績
2021年 東京五輪 優勝
世界選手権 優勝4回(2018年、2019年、2022年、2023年)
ワールドツアー 表彰台15回(優勝13回)
最近の成績
2024年3月 グランドスラム・アンタルヤ 優勝
2023年12月 グランドスラム東京 優勝
2023年5月 ドーハ世界選手権 優勝
Judobase:https://judobase.ijf.org/#/competitor/profile/35696
Judoinside:https://www.judoinside.com/judoka/97066/Uta_Abe
更新日:2024年7月4日(パリオリンピック2024特集)
監修:eJudo編集部
ドーハ世界柔道選手権2023での記事
ABE Uta
22歳 2000/7/14
WR:6位 組み手:右組み
得意技:右内股、右袖釣込腰、寝技
使用技:右大外刈、右大内刈、右背負投、右小外刈、肩車、浮落
寝技得意技術:腕緘、「腕緘返し」、「腹包み」
東京五輪金メダリスト。同大会では兄の阿部一二三(パーク24)とともに五輪史上初となる兄妹同日優勝を達成した。世界選手権も3度(2018年、2019年、2022)制しており、今大会で4度目の優勝を目指す。
スタイルは超攻撃型。奥襟、背中、片襟、両袖と極端に攻撃に振った組み手から次々大技を仕掛け、豪快に投げつける。得意技は右内股と右袖釣込腰。右内股は高く跳ね上げる、あるいは相手の両手をまとめて低く回すなど状況に応じて複数のタイプを使い分ける。寝技では腕緘と「腕緘返し」「腹包み」が得意。
常に新しい技術に取り組み続けており、かつて苦手だった寝技はいまや得点源。五輪前からは担ぎ技と足技、前襟を持っての攻防を強化してきた。前襟を持ったオーソドックス戦型は、昨年12月のグランドスラム東京の時点で既にほぼフラットに使い分けられるようになっていた。今年4月の取材ではこの釣り手で前襟を持つオプションに関して「足技を出しやすい」と語っており、さらに「いずれやってみたい技」としてこの形からの大外刈を挙げていた。将来的にはこの戦型が攻防の柱になる可能性すらある。今大会ではどのような上積みを見せてくれるのか。勝敗だけでなく、その柔道自体が非常に楽しみ。
もっかは好調。本人によると東京五輪後に両肩を手術、長年我慢して来た痛みや可動域の制限から解放されたことが大きいとのこと。これを根拠に、4月の強化合宿時には「今の強さは、東京五輪と比べると120パーセントくらい」との発言があった。今大会のテーマは「思い切って」、パリ五輪で目指す柔道のイメージは「隙のない柔道」。
おもな戦績
2021年 東京五輪 優勝
世界選手権 優勝3度(2018年、2019年、2022年)
ワールドツアー 表彰台13度(優勝11度)
最近の成績
2022年12月 グランドスラム東京 優勝
2022年10月 タシケント世界選手権 優勝
2022年7月 グランプリ・ザグレブ 優勝
更新日:2023年4月29日(ドーハ世界柔道選手権2023完全ガイド)
監修:eJudo編集部
タシケント世界柔道選手権2022での記事
ABE Uta
22歳 2000/7/14
WR:10位 組み手:右組み
得意技:右内股、右袖釣込腰、寝技
使用技:右大外刈、右大内刈、右背負投、右小外刈、浮落
寝技得意技術:腕緘、「腕緘返し」
東京五輪金メダリスト。同大会では兄の阿部一二三(パーク24)とともに五輪史上初となる兄妹同日優勝を達成した。世界選手権でも2度(2018年、2019年)優勝。
階級随一の体の強さを生かした、豪快な投げが持ち味。柔道スタイルは超攻撃型。奥襟、背中、片襟、両袖と極端に攻撃に振った組み手を起点に次々大技を仕掛け、豪快に決める。得意技は右内股と右袖釣込腰。右内股は高く跳ね上げて、あるいは相手の両手をまとめて低空で回してと状況に応じて複数のタイプを使い分ける。寝技では腕緘と「腕緘返し」が得意。これを警戒された際には「腹包み」からの崩袈裟固で取ることも多い。
常に柔道をアップデートし続ける貪欲さも大きな特徴。かつて苦手だった寝技はいまや得点源となっている。五輪前からは担ぎ技と足技、前襟を持っての攻防を強化してきた。前襟を持ったオーソドックス戦型の完成にはまだ時間が掛かりそうだが、7月のグランプリ・ザグレブを見る限り、オプションの一つとして機能するレベルには仕上がっている模様だ。
東京五輪後は両肩を手術して長期離脱。長いリハビリを経て復帰した今年4月の全日本選抜体重別選手権は「顔見世」のみで棄権したが、本格復帰戦となった7月のグランプリ・ザグレブでは凄まじい「一本」を連発して優勝。完全復活を果たした。実は肩の不安なく柔道が出来るのは2018年11月のグランドスアム・大阪以来とのこと。以降は引っ張られて肩が抜けないように常に力を入れながら、痛みの少ない方向に動きを限定しながらのハンデ戦を強いられていた。いまの状態については「手術して良かった。こんなにも不安なく柔道が出来るのか、と驚いている」とのことで、身体的条件は五輪よりも上。4年ぶりにリミッターを外した阿部がどんな試合を見せてくれるのか、楽しみでならない。
おもな戦績
2021年 東京五輪 優勝
2019年 東京世界選手権 優勝
2018年 バクー世界選手権 優勝
最近の成績
2022年7月 グランプリ・ザグレブ 優勝
2022年4月 全日本選抜体重別選手権 3位
2021年7月 東京五輪 優勝
更新日:2022年10月5日(タシケント世界柔道選手権特集)
監修:eJudo編集部
東京2020オリンピックでの記事
ABE Uta
20歳 2000/7/14
WR:3位 組み手:右組み
得意技:右内股、右袖釣込腰、寝技
使用技:右大外刈、右大内刈、右背負投、右小外刈、浮落
寝技得意技術:腕緘、「腕緘返し」
世界選手権2連覇者(2018年、2019年)。豪快な投技が持ち味。階級随一の体の強さを誇り、奥襟、背中、片襟、両袖と極端に攻撃に振った組み手から次々大技を仕掛ける超攻撃型。常に新しい技術に取り組み続けて柔道をアップデートし続けており、かつて苦手だった寝技はいまや得点源。意識高く、勝負度胸も抜群。20歳にしては少々出来過ぎの、金メダル候補一番手である。
得意技は右内股と右袖釣込腰。右内股は高く跳ね上げて、あるいは相手の両手をまとめて低空で回してと状況に応じて複数のタイプを使い分ける。寝技では腕緘や「腕緘返し」からの得点多し。五輪に向けては担ぎ技と足技、前襟を持っての攻防を強化中。前襟のオーソドックス戦型を攻撃オプションのレベルまで育てるには時間が掛かるため、これをどう割り切るかがひとつの課題。純競技力的には間違いなく世界一、ターゲット選手として全選手に狙われる中を具体的にどう勝ち抜くか、注目である。
おもな戦績
2019年 東京世界選手権 優勝
2018年 バクー世界選手権 優勝
ワールドツアー 表彰台11回(優勝9回、2位2回)
最近の成績
2021年5月 グランドスラム・カザン 優勝
2021年3月 グランドスラム・タシケント 優勝
2020年2月 グランドスラム・デュッセルドルフ 優勝
更新日:2021年7月18日(東京オリンピック特集)
監修:eJudo編集部
東京世界柔道選手権2019での記事
ABE Uta
19歳 2000/7/14
WR:5位
組み手:右組み
得意技:右内股、右袖釣込腰
使用技:右大外刈、右大内刈。右内巻込
昨年(2018年)弱冠18歳でバクー世界選手権を制した現役世界王者。66kg級の阿部一二三を兄に持ち、同大会では世界初となる兄妹同日の世界王座獲得を果たした。階級随一の体の強さを誇り、それを生かしたパワフルな柔道が持ち味。常に新しい技術を研究するなどアスリートとしての意識も高く、勝負度胸の良さも含めて心技体いずれにも隙がない。得意技は右内股と右袖釣込腰。右内股は高く跳ね上げて、あるいは相手の両手をまとめて低空で回してと複数のタイプを使い分ける。寝技の強化にも余念がなく、一線級を相手にも得意の腕緘を起点に引き込む形で幾度も勝利を収めている。国際大会のデビューから海外勢には1度も負けておらず、現在40連勝中。東京世界選手権では未だ対戦のないマイリンダ・ケルメンディ(コソボ)を倒して世界選手権2連覇を狙う。
おもな戦績
2018年 グランドスラム大阪 優勝
2018年 バクー世界選手権 優勝
2018年 グランドスラム・パリ 優勝
最近の成績
2019年5月 グランプリ・フフホト 優勝
2019年11月 グランドスラム大阪 優勝
2018年9月 バクー世界選手権 優勝
更新日:8月13日(東京世界柔道選手権2019特集)