セオドロス・ツェリディス(ギリシャ)

2024.07.08
2024.07.24

TSELIDIS Theodoros
階級：90kg級　WR：15位
27歳　1996/8/5
組み手：左組み

得意技：左背負投、左一本背負投、右背負投
使用技：肩車、左大内刈、右大内刈、右袖釣込腰

ワールドツアーの上位常連。2022年頃から徐々に調子を上げ、今年ついにブレイク。3月のグランドスラム・タシケントでワールドツアー初優勝を果たした。上位陣への勝利歴も多く、序列以上に存在感は大きい。

階級を代表する曲者であり、スタイルは粘戦型の担ぎ技系。腰を引いた姿勢から徹底して袖を絞り、相手を手前に煽り出しながら担ぎ技と肩車を連発する。足技も担ぎ技の起点として用いる低い大内刈以外は用いず、相手と組み合って勝負する気は一切なし。対戦した場合の鬱陶しさ、面倒さは階級ナンバーワンだ。

しかし、勝利が「指導3」ばかりかと言うとそんなこともなく、投げも意外に強力。昨今流行りの、相手にぶら下がる「雪崩込み式」背負投の名手であり、左右にこの技を仕掛けることができる。サギ・ムキ(イスラエル)と並ぶ、流行の発信源だ。組み手争いから巧みにぬるりと相手の懐に侵入、片袖で走りながら引き落とし、無理やり背中を着けてしまう。相手も当然この技しかないとわかっているのに、それでも嵌ってしまう、まさに名人芸である。この技の被害者は、ミハイル・イゴルニコフ(中立選手団)、ミハイル・ツガンク(トルコ)など枚挙に暇がない。

見た目のインパクトも強く、くせっ毛に濃い眉毛、口髭と、どこか某ゲームの配管工を思わせる。いかにも曲者である。