イゴール・ヴァンドケ(ドイツ)

イゴール・ヴァンドケ(ドイツ) WANDTKE Igor

WANDTKE Igor
階級:73kg級 WR:25位
33歳 1990/11/3
組み手:右組み

得意技:右背負投、左背負投、右小内巻込、隅返、引込返、左腰車、左体落
使用技:右一本背負投、肩車、右大外刈、右大内刈、右小内刈左外巻込、裏投、内股すかし、隅落、浮落

ワールドツアーの上位常連。33歳のベテランで、五輪出場はパリが3回目となる。最近はさすがに成績が下降気味だったが、今年5月のアブダビ世界選手権ではムロジョン・ユルドシェフ(ウズベキスタン)に勝利するなどして、驚きの5位入賞。キャリアハイの成績を残した。

階級を代表する曲者。以前は担ぎ技系のパワーファイターだったが、往時ほどの力がなくなったことでモデルチェンジ。技術構成は大きく変わらないものの、組み際や「寝から立ち」、「立ちから寝」などの際(きわ)を主な生息域とするようになった。

柔道のベースは、組み手の攻防からの担ぎ技と、相手を抱き込んでの接近戦の2つのモードの使い分け。リーチの長さを生かした手数の攻防から、片手の足技、片襟や片袖の左右の背負投など、返されるリスクの少ない技を連発し、これで相手が焦れると、急に距離を詰めて接近戦を挑み、それでいながら、相手が反応すると自ら手を離して距離を取り、決定的な間合いは作らせない。「持っては離れ」を繰り返しながら見かけ上の有利を作り続け、相手に「指導」を押し付ける。まさに曲者である。

このスタイルからすれば「指導3」勝利が多いように思われるが、勝負どころではしっかりリスクを呑みこんで本命の技を打ち込むため、意外にも技でポイントを得ての勝利が多い。

最も取り味があるのは、担ぎ技で一度伏せた状態から、相手が寝技を狙ったところで急に立ち上がって仕掛ける右小内巻込。使用頻度こそ高くないものの、「寝から立ち」、そして相手の意識の隙間を突く、現在のこの選手のスタイルを象徴する技術となっている。もともと得意な担ぎ技や隅返、引込返も健在であり、こちらでの得点も多い。特に隅返は技術的な練度が高く、相手の耐え方に合わせて巧みに決めの方向を変え、投げ切ってしまう。

奇襲技として本来の組み手とは逆の左腰車や左体落、左外巻込も備えており、東京五輪の団体戦では大野将平を腰車式の左体落「技有」で破る大金星を上げた。柔道の緩急が利くようになったことで、こちらも以前より効果的に用いられようになっている。

おもな戦績

2024年 アブダビ世界選手権 5位 
2021年 ワールドマスターズ・ドーハ 3位
2013年 グランプリ青島 優勝

最近の成績

2024年5月 アブダビ世界選手権 5位 
2024年5月 グランドスラム・カザフスタン 予選ラウンド敗退
2024年3月 グランドスラム・ドゥシャンベ 予選ラウンド敗退

Judobase:https://judobase.ijf.org/#/competitor/profile/1239
Judoinside:https://www.judoinside.com/judoka/37679/Igor_Wandtke/judo-career

更新日:2024年7月4日(パリオリンピック2024特集)
監修:eJudo編集部

ドーハ世界柔道選手権2023での記事

WANDTKE Igor
32歳 1990/11/3
WR:19位 組み手:右組み

得意技:右背負投、左背負投、右小内巻込
使用技:隅返、右一本背負投、肩車、右大内刈、右小内刈、内股透、左外巻込、左腰車、左体落、裏投

ワールドツアーの上位常連。32歳のベテランながら、今年2月のグランドスラム・テルアビブでは決勝に勝ち上がるなど、コンスタントに成績を残している。

階級を代表する曲者。以前は担ぎ技系のパワーファイターだったが、往時ほどの力がなくなったことでモデルチェンジ。技術構成は大きく変わらないものの、組み際や「寝→立ち」「立ち→寝」などの際(きわ)を主な生息域とするようになった。

柔道のベースは、組み手の攻防からの担ぎ技と、相手を抱き込んでの接近戦の2つのモードの使い分け。リーチの長さを生かした手数の攻防から、片手の足技や両手で袖口を握っての左右の背負投など、返されるリスクの少ない技を連発。これで相手が焦れると、急に距離を詰めて接近戦を挑み、それでいながら、相手が反応すると自ら手を離して決定的な間合いは作らせない。持っては離れてを繰り返しながら見かけ上の有利を作り続け、相手に「指導」を押し付ける。まさに曲者だ。

このスタイルからすれば「指導3」勝利が多いように思われるが、勝負どころではしっかりリスクを呑んで本命の技を打ち込むため、意外にも技でポイントを得ての勝利が多い。最も取り味があるのは担ぎ技で一度伏せた状態から相手が寝技を狙ったところで急に立ち上がって仕掛ける右小内巻込。「寝→立ち」、そして相手の意識の隙間を突く、現在のこの選手のスタイルを象徴する技だ。もともと得意な担ぎ技や隅返も健在であり、こちらでの得点も多い。特に隅返は技術的な練度が高く、相手の耐え方に合わせて巧みに決めの方向を変え、投げ切ってしまう。

奇襲技として本来の組み手とは逆の左腰車や左体落、左外巻込も備えており、東京五輪の団体戦では大野将平を腰車式の左体落「技有」で破る大金星を挙げた。柔道の緩急が利くようになったことで、こちらも以前より効果的に用いられようになっている。

おもな戦績

2021年 ワールドマスターズ・ドーハ 3位
2013年 グランプリ青島 優勝
2023年 グランドスラム・テルアビブ 2位

最近の成績

2023年3月 グランドスラム・アンタルヤ 5位
2023年2月 グランドスラム・テルアビブ 2位
2023年2月 グランドスラム・パリ 予選ラウンド敗退

更新日:2023年5月6日(ドーハ世界柔道選手権2023完全ガイド)
監修:eJudo編集部

タシケント世界柔道選手権2022での記事

WANDTKE Igor
31歳 1990/11/3
WR:32位 組み手:右組み

得意技:右一本背負投、右背負投
使用技:隅返、肩車、右大内刈、右小内刈、右小内巻込、内股透、左外巻込、左腰車、左体落、裏投

ワールドツアーの上位常連、担ぎ技系のパワーファイター。相手を抱き込んで間合いを詰めた形を基本としており、得意技は近い間合いから相手の懐に飛び込んで仕掛ける、低い右一本背負投。似た理合での片襟の右背負投や、担ぎ技をフェイントにしての右小内刈、右小内巻込も用いる。隅返も得意としており、相手の耐え方に合わせて巧みに投げの方向を使い分ける。奇襲技として逆(左)の腰車や体落、外巻込も備えており、東京五輪の団体戦では大野将平(旭化成)を左体落「技有」で破る大金星を挙げた。

おもな戦績

2021年 ワールドマスターズ・ドーハ 3位
2013年 グランプリ青島 優勝
2015年 グランドスラム・アブダビ 2位

最近の成績

2022年7月 グランプリ・ザグレブ 1回戦敗退
2022年7月 グランドスラム・ハンガリー 3回戦敗退
2022年4月 欧州選手権 3回戦敗退

更新日:2022年10月5日(タシケント世界柔道選手権特集)
監修:eJudo編集部

東京2020オリンピックでの記事

WANDTKE Igor
30歳 1990/11/3
WR:21位 組み手:右組み
得意技:右一本背負投、右背負投
使用技:隅返、肩車、右大内刈、右小内刈、右小内巻込、内股透、左外巻込、裏投

ワールドツアー上位常連。担ぎ技系のパワーファイター。相手を抱き込んで間合いを詰めた形を基本としており、得意技は近い間合いから相手の懐に飛び込んで仕掛ける、低い右一本背負投。似た理合での片襟の右背負投や、担ぎ技をフェイントにしての右小内刈、右小内巻込も用いる。隅返も得意としており、相手の耐え方に合わせて巧みに投げの方向を使い分ける。

おもな戦績

2021年 ワールドマスターズ・ドーハ 3位
2013年 グランプリ青島 優勝
2015年 グランドスラム・アブダビ 2位

最近の成績

2021年2月 グランドスラム・テルアビブ 7位
2021年1月 ワールドマスターズ・ドーハ 3位
2020年11月 欧州選手権 3回戦敗退

更新日:2021年7月18日(東京オリンピック特集)
監修:eJudo編集部

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