吉田秀彦氏が追悼、「人生の金メダルを贈らせていただきます」

吉田秀彦氏(写真は2019年)

古賀稔彦氏の訃報を受け、柔道私塾「講道学舎」の後輩にあたる吉田秀彦氏が所属のパーク24を通じて追悼のコメントを発表した。吉田氏は1992年に行われたバルセロナ五輪の86kg級に出場し、同71kg級の古賀氏とともに金メダルを獲得。講道学舎時代は氏の付き人も務めた。

吉田氏は「今はただ驚きと、まだ信じられない気持ちでいっぱいです。最後まで奇跡を信じていましたが叶いませんでした。」と無念を滲ませ、伝説のバルセロナ五輪について「怪我で柔道が出来る状態ではなかった古賀先輩が優勝した瞬間、私が金メダルを取ったとき以上の喜びを感じました。古賀先輩が見せたあの精神力は、今も私の支えとなっています。」と振り返った。コメントは「後進の指導や子どもたちへの柔道普及活動など柔道界の発展に尽力された古賀先輩に、私から人生の金メダルを送らせていただきます。ご冥福を心よりお祈りいたします。」との言葉で結ばれている。

全文は下記。

吉田秀彦氏のコメント

古賀先輩の訃報を聞き、今はただ驚きと、まだ信じられない気持ちでいっぱいです。
最後まで奇跡を信じていましたが叶いませんでした。
今の私があるのは、古賀先輩のお陰と言っても過言ではありません。

私は中学3年生の時に講道学舎に入門しましたが、古賀先輩は柔道が弱かった私を付き人に指名してくれました。それから練習はもちろんのこと、私生活でも常に行動を共にしていただいたことで、柔道の技術的にも、精神的にも強くなれました。

バルセロナオリンピックでは、怪我で柔道が出来る状態ではなかった古賀先輩が優勝した瞬間、私が金メダルを取ったとき以上の喜びを感じました。
古賀先輩が見せたあの精神力は、今も私の支えとなっています。
二人で勝ち取ったバルセロナオリンピックの金メダルは一生の宝です。

現役引退後は、後進の指導や子どもたちへの柔道普及活動など柔道界の発展に尽力された古賀先輩に、私から人生の金メダルを送らせていただきます。
ご冥福を心よりお祈りいたします。

2021年3月24日
吉田秀彦

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