ゼリム・ツカエフ(アゼルバイジャン)

ゼリム・ツカエフ(アゼルバイジャン) TCKAEV Zelim

TCKAEV Zelim
階級:81kg級 WR:6位
25歳 1999/5/2
組み手:右組み

得意技:右内股、右内股巻込、巴投、隅返、右内股(やぐら投げ)、左内股(やぐら投げ)
使用技:膝車(釣り手側)、支釣込足(釣り手側)、支釣込足(引き手側)、右出足払、右小内刈、右足車、右体落、肩車、抱分、浮落、隅落、内股すかし

ワールドツアー表彰台の常連。2023年9月のグランドスラム・バクー優勝をきっかけにブレイクし、以降は2024年グランドスラム・パリ2位、2024年グランドスラム・バクー優勝など、コンスタントに好成績を残している。もとは国内2番手だったが、この昨年後半からの活躍によりサイード・モラエイ(アゼルバイジャン)を追い抜き、逆転で五輪代表を決めた。もとロシア籍であり、アゼルバイジャン代表としては2020年から大会に出場している。

正統派の内股系。強烈な引き手の把持を生かして二本持ち、相手を動かしながら投げを狙う。

投げの強烈さに目を奪われがちだが、柔道の核は組み手のしつこさ。こう表現するとそれほど恐ろしさは感じないが、この選手の場合は「程度」が異常。持ち替えなどの一般的な組み手の技術に加え、足技、右内股などの本命技、さらには相手の技や動作すらも組み手のツールとして用い、まとわり付くように有利を取り続ける。決して「指導」奪取タイプではないのだが、攻めの密度により完封、結果的に「指導3」を積んでの勝利も珍しくない。永瀬貴規(旭化成)やソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)らの組み手巧者ですらこの形に嵌って敗れていると言えば、その恐ろしさがわかるはずだ。

もちろん本質は投げ。技の威力という下地があるからこそ、この組み手が成立しているという構造だ。得意技の右内股や巴投、隅返の破壊力はかなりのもの。組み手が機能しなくなる密着に対してもしっかり手札を用意しており、この形からは左右の「やぐら投げ」で勝負する。具体的にポイントに至ることは少ないものの、左右両方向の支釣込足など足技も充実しており、組み手のツールとしてこの選手の柔道を支えている。

寝技では相手の伏せ際に腕挫十字固を狙うことが多いが、技術の精度は甘く、決定力は高くない。

おもな戦績

2024年 グランドスラム・バクー 優勝
2023年 グランドスラム・バクー 優勝
2024年 グランドスラム・パリ 2位

最近の成績

2024年5月 アブダビ世界選手権 予選ラウンド敗退
2024年4月 ヨーロッパ選手権 予選ラウンド敗退
2024年2月 グランドスラム・バクー 優勝

Judobase:https://judobase.ijf.org/#/competitor/profile/51301
Judoinside:https://www.judoinside.com/judoka/105562/Zelim_Tckaev/judo-career

更新日:2024年7月4日(パリオリンピック2024特集)
監修:eJudo編集部

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