オドレイ・チュメオ(フランス)

2023.03.09
2023.05.11

TCHEUMEO Audrey
33歳 1990/4/20
WR：4位組み手：右組み

得意技：右大外刈、右大内刈
使用技：右大外落、右小内刈、右小外刈、右出足払、右体落、谷落

2011年パリ世界選手権金メダリスト。五輪でも2016年リオデジャネイロ大会で銀メダル、2012年ロンドン大会で銅メダルを獲得している。近年はマドレーヌ・マロンガ(フランス)の台頭により世界大会にはなかなか手が届かなかったが、今回久々に出場権を手にした。もっかは絶好調。昨年末のワールドマスターズ・エルサレム2位を皮切りに、今年に入ってからはワールドツアーを2連勝している。

階級を代表する組み手、足技系。いかにもフランス選手らしい、引き手の把持を一手目とする基本に忠実な組み手と、それと連動して仕掛ける足技を武器としている。得意技は右大外刈と右大内刈。右大外刈は引き手で相手の腕を体に押し付けておき、それを開くと同時に飛び込む形を得意としている。柔道の組成は極めてオーソドックスかつ単純なのだが、袖の絞りの強烈さと独特のリズム感、軽快な足捌きの掛け算により、豊富な攻めのバリエーションを生み出している。いわゆる「小内大内」など、足技の連携も得意。

弱点は集中力。メンタル面に難があり、試合のなかで感情が乱高下しがち。突如やる気を失い、雑な戦い方から放られることも珍しくなく、いかに最後まで集中を保つことができるかが課題だ。非常に感情表現が豊かな選手でもあり、勝利後にはダンスパフォーマンスを見せるなど、柔道以外でも大きな存在感を放っている。

2017年グランドスラム・パリの決勝では、佐藤瑠香と互いに袖の絞り合いに終止する長時間試合を行い、両者反則負け誕生のきっかけの一となった。なお、当時は当然まだこのルールがなかったため、「指導3」の反則で勝利している。