サギ・ムキ(イスラエル)

サギ・ムキ(イスラエル) MUKI Sagi

MUKI Sagi
階級:81kg級 WR:18位
32歳 1992/5/17
組み手:両組み

得意技:右袖釣込腰、左袖釣込腰、右背負投、左背負投、左大腰
使用技:右大外刈、左大外刈、左釣込腰、左浮腰、右払腰、右内股、左小外掛、谷落、右体落

2019年東京世界選手権金メダリスト。コロナ禍以降は長く調子を落としていたが、昨年に入り後述の新スタイルを完成。再び成績が上向いてきている。技術研究に余念がなく、両組みで左右に担ぐスタイルや、詰める背負投、後述の「合法足取り投げ」など、担ぎ技系のトレンドの主要な発信源の一人となっている。

基本属性は担ぎ技系。両組みの選手であり、左右を選ばず威力のある担ぎ技を仕掛けられることが最大の強み。強烈な絞りで相手の組み手を切り、片襟の背負投、両袖の袖釣込腰を仕掛ける。また、これらの担ぎ技の形で上体を固めての大外刈も得意としている。片襟や片袖の背負投から詰めて投げる技法の発信源でもある。密着しての攻防も苦にせず、相手の脇を差しての左大腰など、豪快な腰技での勝利も多い。

近年は地力が落ちてきており、以前のような絞りの強さはなくなった印象。しかし、その分、組み際の攻防に特化する方向に舵を切り、オリジナリティの強い、瞬間芸スタイルを編み出した。ゆらゆらと脱力した状態で間合いを出入りし、相手の袖を捕まえた瞬間に急加速。種々様々の担ぎ技や左大腰を見舞い、印象的な「一本」を連発している。攻撃力だけならば、変わらず階級最上位クラスだ。このスタイルでどこまで辿り着けるのか。柔道の可能性という意味でも興味深い選手になってきている。

最近は片袖の背負投から肘で相手の膝の外側をロックして投げる「合法足取り投げ」を多く用いており、この技術が流行するきっかけを作った。本家のムキはさらに技術を進化させており、もたれ掛かった後に膝をスライディングさせ肘と膝で相手の脚を挟む、改良型も用いている。

東京五輪では、個人戦は3回戦敗退も、男女混合団体戦では3位決定戦で1階級上の強者のミハイル・イゴルニコフ(ロシア)を破る活躍を見せ、チームの銅メダル獲得に貢献した。

おもな戦績

2019年 東京世界選手権 優勝
2019年 ワールドマスターズ青島 2位
ヨーロッパ選手権 優勝2回(2015年、2018年) ※73kg級含む

最近の成績

2024年5月 アブダビ世界選手権 予選ラウンド敗退
2024年5月 グランドスラム・カザフスタン 予選ラウンド敗退
2024年4月 ヨ−ロッパ選手権 5位

Judobase:https://judobase.ijf.org/#/competitor/profile/3873
Judoinside:https://www.judoinside.com/judoka/48909/Sagi_Muki/judo-career

更新日:2024年7月4日(パリオリンピック2024特集)
監修:eJudo編集部

ドーハ世界柔道選手権2023での記事

MUKI Sagi
30歳 1992/5/17
WR:16位 組み手:両組み

得意技:右袖釣込腰、左袖釣込腰、右背負投、左背負投
使用技:右大外刈、左大外刈、左大腰、左釣込腰、左浮腰、右払腰、右内股、左小外掛、谷落、右体落

2019年東京世界選手権金メダリスト。同タイトル獲得後は長いスパンで成績が低迷していたが、今年2月、地元開催のグランドスラム・テルアビブで約3年半ぶりに優勝。復調の気配を見せている。

基本属性は担ぎ技系。両組みの選手であり、左右を選ばず威力のある担ぎ技を仕掛けられることが最大の強み。強烈な絞りで相手の組み手を切り、片襟の背負投、両袖の袖釣込腰を仕掛ける。また、これらの担ぎ技の形で上体を固めての大外刈も得意としている。密着しての攻防も苦にせず、相手の脇を差しての左大腰など、豪快な腰技での勝利も多い。

近年は地力が落ちてきており、以前のような絞りの強さはなくなった印象。しかし、その分、最近は組み際の攻防に特化する方向に舵を切っている。ゆらゆらと間合いを出入りしながら相手の袖を捕まえ、それに対する相手の反応を誘っては、種々様々の担ぎ技に潜り込んでいる。タイミングの取り方が上手いため、技の威力は健在。このスタイルでどこまで辿り着けるのか。柔道の可能性という意味でも興味深い選手になってきている。

東京五輪では、個人戦は3回戦敗退も、男女混合団体戦では3位決定戦で1階級上の強者のミハイル・イゴルニコフ(ロシア)を破る活躍を見せ、チームの銅メダル獲得に貢献した。

おもな戦績

2019年 東京世界選手権 優勝
2018年 欧州選手権 優勝
2016年 リオデジャネイロ五輪 5位 ※73kg級

最近の成績

2023年3月 グランドスラム・アンタルヤ 予選ラウンド敗退
2023年2月 グランドスラム・テルアビブ 優勝
2023年2月 グランドスラム・パリ 予選ラウンド敗退

更新日:2023年5月7日(ドーハ世界柔道選手権2023完全ガイド)
監修:eJudo編集部

タシケント世界柔道選手権2022での記事

MUKI Sagi
30歳 1992/5/17
WR:18位 組み手:両組み

得意技:右袖釣込腰、左袖釣込腰、右背負投、左背負投
使用技:右大外刈、左大外刈、左大腰、左釣込腰、左浮腰、右払腰、右内股、左小外掛、谷落、右体落

2019年東京世界選手権金メダリスト。かつて73kg級のトップ選手だったが、リオデジャネイロ五輪後に階級を上げた。

組み手は両組み。左右を選ばず威力ある担ぎ技を仕掛けられることが最大の強み。強烈な絞りで相手の袖を切り、片襟や両袖の背負投、袖釣込腰を仕掛ける。両袖から、袖釣込腰の形で上体を固定して仕掛ける左右の大外刈も得意としている。密着しての攻防も苦にせず、相手の脇を差しての左大腰など、豪快な腰技での勝利も多い。受けの強さも特筆もので、手を合わせた選手からは「柔らかい、飛ばない」との証言が続出している。

近年は長いスパンで成績が低迷しており、東京五輪も3回戦敗退。しかし、男女混合団体戦では3位決定戦で1階級上の強者であるミハイル・イゴルニコフ(ロシア)を破る活躍を見せ、チームの銅メダル獲得に貢献した。

おもな戦績

2019年 東京世界選手権 優勝
2018年 ヨーロッパ選手権 優勝
2016年 リオデジャネイロ五輪 5位 ※73kg級

最近の成績

2022年7月 グランドスラム・ハンガリー 3回戦敗退
2022年6月 グランドスラム・ウランバートル 1回戦敗退
2022年4月 欧州選手権 3回戦敗退

更新日:2022年10月5日(タシケント世界柔道選手権特集)
監修:eJudo編集部

東京2020オリンピックでの記事

MUKI Sagi
29歳 1992/5/17
WR:2位 組み手:両組み
得意技:右袖釣込腰、左袖釣込腰、右背負投、左背負投
使用技:右大外刈、左大外刈、左大腰、左釣込腰、左浮腰、右払腰、右内股、左小外掛、谷落、右体落

2019年東京世界選手権金メダリスト。かつて73kg級のトップ選手だったが、リオデジャネイロ五輪後に階級を上げた。組み手の左右を選ばず威力ある担ぎ技を仕掛けられることが最大の強みで、強烈な絞りで相手の袖を切り、片襟や両袖の背負投、袖釣込腰を仕掛ける。両袖で袖釣込腰の形に上体を固定して仕掛ける左右の大外刈も得意としている。密着しての攻防も苦にせず、相手の脇を差しての左大腰など、豪快な腰技での勝利も多い。戴冠後は柔道の幅を広げるためか敢えて相手と二本組み合っての勝負を志向しており、成績自体は低迷中。五輪本番ではもっとも強い本来の片襟、両袖スタイルに戻してくると予想され、変わらず優勝候補の1人である。受けの強さも特筆もので「柔らかい。飛ばない」との証言が続出している。

“あるく近柔”からのひとこと

「オーレン・スマジャ氏のクラブ所属で、スマジャ氏の得意技である袖釣込腰を受け継ぐ存在。一昨年の世界選手権優勝後は日本円で月収210万円をスポンサーから毎月援助されているそうです。ちなみに、スマジャ氏は五輪メダリストで有名ということもあり、クラブにもスポンサーが沢山集まるそうです。ムキ選手と乱取りをした人曰く、“的がなくて技がハマらない”とのこと。乱取りしたみた感覚が、フランスのリューシー・デコス氏と似ているとの感想もあり。」

※本名 甲斐田謙 太宰府少年武道会→基山中→西日本短大附高→東海大。現在ハンガリー・ツェグレード在住、同国のクラブで柔道指導に携わる。
https://twitter.com/Arukin0405

おもな戦績

2019年 東京世界選手権 優勝
2018年 ヨーロッパ選手権 優勝
2016年 リオデジャネイロ五輪 5位 ※73kg級

最近の成績

2021年5月 グランドスラム・カザン 2回戦敗退
2021年4月 欧州選手権 3位
2021年2月 グランドスラム・テルアビブ 2回戦敗退

更新日:2021年7月18日(東京オリンピック特集)
監修:eJudo編集部

東京世界柔道選手権2019での記事

MUKI Sagi
27歳 1992/5/17
WR:2位 組み手:右組み
得意技:右袖釣込腰、左袖釣込腰、右大外刈、左大外刈
使用技:、右払腰、右内股

2018年ヨーロッパ選手権王者。もとは73kg級の選手だったが、リオデジャネイロ五輪後に階級を上げた。今年は出場した5大会のうち4大会で決勝に進出、さらに3大会で優勝と非常に勢いに乗っている。強烈な袖の絞りが柔道の生命線で、相手の袖を切り落とす「守り」からそのまま直接攻撃に繋げることができる攻防一致のスタイル。得意技は両袖からの左右の袖釣込腰と、袖釣込腰の形に上体を固定して仕掛ける左右の大外刈。組み際に片襟を差しての背負投も得意としており、こちらも左右両方で仕掛けることができる。以前は相手との駆け引きで試合を作る巧者タイプであったが、投げの威力がアップするに従い、ひたすら投げを狙って豪快に投げまくる、現在のスタイルへと変貌を遂げた。

おもな戦績

2019 グランドスラム・エカテリンブルク 優勝
2018年 ヨーロッパ選手権 優勝
2016年 リオデジャネイロ五輪 5位 ※73kg級

最近の成績

2019年7月 グランプリ・ブダペスト 3回戦敗退
2019年5月 グランドスラム・バクー 優勝
2019年3月 グランドスラム・エカテリンブルク 優勝

更新日:8月23日(東京世界柔道選手権2019特集)

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