影浦心(日本中央競馬会)

影浦心(日本中央競馬会) KAGEURA Kokoro

KAGEURA Kokoro
27歳 1995/12/6
WR:9位 組み手:左組み

得意技:左背負投、左小内刈、左小内巻込、内股透、左出足払
使用技:左払巻込、左内股、左大内刈、左大外刈、左体落

2021年ハンガリー世界選手権金メダリスト。同大会では2003年の棟田康幸以来、18年ぶりとなる100kg超級の日本人王者となった。また、2020年2月のグランドスラム・パリでは絶対王者テディ・リネール(フランス)を内股透「技有」で破りその連勝を「154」でストップ。世界の注目を浴びた。なにかと記録の節目に縁のある選手である。グランドスラム東京のV逸もあって当初今大会の代表からは漏れていたが、90kg級増山香補の代表権取り消しを受けて、繰り上がりでの選出となった。

重量級世界のトレンドである「動ける担ぎ技ファイター」の代表格。技に入るスピードの速さはこのトライブの中でも出色である。得意技は低い左背負投に、この技を撒き餌にしての左小内刈や左小内巻込。ここぞで閃かせる奥足狙いの左出足払にもかなりの冴えがある。股関節の柔らかさを生かした内股透も得意で、これまでにリネールや原沢久喜など、本格派のトップ選手を度々畳に沈めている。近年は組み手の攻防に混ぜ込んでも左払巻込もよく用いている。

攻防両面で機能する低い担ぎ技の術者であることや、そもそも戦術眼に優れることから、試合構成力が高い。最近はライバルの斉藤立への対策を進めるなかで、組み手の技術や試合運びの巧さが成長しており、完成度を増している。

一方で、同系統の担ぎ技ファイターや機動力のあるアスリートタイプを苦手としており、これまでに敗れた相手は多くがこの型。担ぎ技を仕掛け続け、展開で優位に立つことが柔道の前提のため、この戦型が崩れると途端に手詰まりになってしまう。これは本人もよく意識しており、左内股など非大型用の技も磨いているが、まだ完全には克服できていない。また、大一番に勝利した後にあっさり敗れてしまうことも多く、この淡泊さも大きな課題。いかに最後まで集中力を途切れさせずに戦い切れるか、山場となった試合の次の試合には特に注目したい。

おもな戦績

2021年 ハンガリー世界選手権 優勝
ワールドマスターズ 3位2度(2019年、2022年)
2022年 グランドスラム・パリ 2位 ※テディ・リネールに勝利

最近の成績

2022年12月 ワールドマスターズ・エルサレム 3位
2022年12月 グランドスラム東京 2位
2022年8月 アジア選手権 優勝

更新日:2023年4月29日(ドーハ世界柔道選手権2023完全ガイド)
監修:eJudo編集部

ブタペスト世界柔道選手権2021での記事

KAGEURA Kokoro
25歳 1995/12/6
WR:8位
組み手:左組み
得意技:左背負投、左背負投(「韓国背負い」)、左小内刈、内股透、左出足払
使用技:左内股、左小内巻込、左大内刈、左大外刈、左体落、左払腰

2020年2月のグランドスラム・パリで絶対王者テディ・リネール(フランス)を内股透「技有」で破り、その連勝を「154」でストップ。世界の注目を浴びた。国際大会でなかなか優勝出来なかったが、今年2月のグランドスラム・タシケントで2018年8月以来のワールドツアー制覇を果たしてしっかりこの課題をクリア。初出場の個人戦で、第一人者原沢久喜(百五銀行)に先んじての世界選手権金メダル奪取を狙う。

重量級世界の一大トレンドである「動ける担ぎ技ファイター」の代表格。技に入るスピードの速さはこのトライブの中でも出色である。得意技は低く潜り込む左背負投に、この技を撒き餌にしての左小内刈や左小内巻込、奇襲技としての「韓国背負い」。ここぞで閃かせる奥足狙いの左出足払にもかなりの冴えがある。内股透や隅落などの「さばく後の先」の技の上手さも大きな特徴、これまでリネール、原沢と本格派のトップ選手を次々畳に沈めている。

攻防ともに使いでのある低い担ぎ技の術者であることと、そもそも戦術眼に優れることで、相手の力に関係なくしっかり試合を作れることも大きな長所。一方で同系統の担ぎ技ファイターや機動力のあるアスリートタイプを苦手としており、敗れた相手はほとんどがこの型。タシケント大会の優勝で禊を済ませてはいるものの、大一番に勝利した後にあっさり敗れてしまう淡泊さも大きな課題。集中力の持続が、頂点取り最大のポイントだ。

おもな戦績

2018年 グランプリ・ブダペスト 優勝
2018年 グランドスラム・パリ 優勝
2017年 グランプリ・デュッセルドルフ 優勝

最近の成績

2021年 グランドスラム・タシケント 優勝
2020年 全日本選手権 3回戦敗退
2020年 講道館杯全日本体重別選手権 優勝

更新日:2021年6月3日(ブダペスト世界選手権2021特集)

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