テディ・リネール(フランス)

テディ・リネール(フランス) RINER Teddy

RINER Teddy
34歳 1989/4/7
WR:18位 組み手:右組み

得意技:右払腰、右払巻込、右大外刈、右大外巻込、右内股、浮技、引込返、隅返
使用技:右大内刈、支釣込足(釣り手側)、右小外刈

世界大会の100kg超級で優勝10度(五輪2度、世界選手権8度)の絶対王者。東京五輪では、個人戦は銅メダルに終わったが、翌日に行われた男女混合団体戦では、得点源・精神的支柱としてフランスチームを牽引。金メダル獲得に貢献した。五輪後は2大会の出場に留まっているが、いずれも圧勝している。

身長204cmの恵まれた体格と、いかにもフランス選手らしい基本に忠実な組み手が、強さのベース。引き手の把持を一手目に、釣り手で奥襟や背中を持って圧殺。その状態から煽り、蹴り崩し、振り回し、相手が死に体になったところを、状況に応じた技で仕留める。持ち技は足技、腰技、捨身技など多彩。得意としている右払腰や右大外刈は、まるで大鉈を振るうかのような破壊力だ。使用頻度としては、最近は右払腰と、耐えられたところから連絡しての右払巻込をよく用いている。寝技への以降が早く、実は相手の伏せ際を狙った「腰絞め」(送襟絞)も得意としている。

2016年まではひたすら圧殺して「指導」を重ねるリスクを取らないスタイルだったが、以後はルール改正に応じてスタイルを変更。「まず圧殺」「最後は投げる」の新たなモードの柔道を作り上げた。また、以前は負けを極度に恐れるそのメンタルが弱点と見受けられたが、現在は技術的にも精神的にもかなり成熟。心技体が高いレベルで揃った一段上の選手に進化している。

なお、リネールと対戦相手の力関係は、リネールのモードから推測できる。モードは相手のレベルに応じて、①「雑」に投げる、②リスクは冒さず組み手で封じる、③リスクを負って投げに出る、だ。観戦の際には、リネールがどのモードで戦っているかにも注目してみてもらいたい。

おもな戦績

2012年 ロンドン五輪 優勝
2016年 リオデジャネイロ五輪 優勝
2021年 東京五輪 3位
世界選手権100kg超級8連覇(2007年~2017年)

最近の成績

2023年2月 グランドスラム・パリ 優勝
2022年7月 グランドスラム・ハンガリー 優勝
2021年7月 東京五輪 3位

更新日:2023年5月12日(ドーハ世界柔道選手権2023完全ガイド)
監修:eJudo編集部

東京2020オリンピックでの記事

RINER Teddy
32歳 1989/4/7
WR:16位 組み手:右組み
得意技:右払腰、右払巻込、右大外刈、右内股、浮技、引込返、隅返
使用技:右大内刈、右支釣込足、右小外刈

世界大会の100kg超級で優勝10回(五輪2、世界選手権8)の絶対王者。フランス選手らしく引き手から持つ基本に忠実な組み手を行い、組み勝ってまず圧殺、ここから状況に応じた技で的確に仕留めに掛かる。持ち技は足技、腰技、捨身技など多彩。最近は右払腰とここから連絡しての右払巻込をよく用いている。実は相手の伏せ際を狙った「腰絞め」(送襟絞)も得意。

2016年まではひたすら圧殺して「指導」を重ねるリスクを取らないスタイルだったが、以後はルール改正に応じてスタイルを変更。「まず圧殺」「最後は投げる」新たなモードの柔道を作り上げた。2020年には2月のグランドスラム・パリで影浦心に内股透「技有」で敗れて連勝が「154」でストップ。さらに国内の団体戦でも無名選手のジョセフ・テヘーに「指導3」で敗れたが、コロナ禍を経て立て直し、2021年1月のワールドマスターズでは圧勝Vを飾った。以前は負けを極度に恐れるそのメンタルが弱点と見受けられたが、もっかは技術的にも精神的にもかなり成熟。心技体が高いレベルで揃ったさらに完成度の高い選手となりつつある。五輪というもっとも高いプレッシャーに晒される舞台でも変わらずこの成熟した柔道を見せてくれるのか、注目である。今年2月に左膝十字靱帯を断裂、2カ月間練習ができなかったとの情報があり、もっかのコンディションは未知数。

おもな戦績

2016年 リオデジャネイロ五輪 優勝
2012年 ロンドン五輪 優勝
世界選手権100kg超級8連覇(2007年~2017年)

最近の成績

2021年1月 ワールドマスターズ・ドーハ 優勝
2020年2月 グランドスラム・パリ 3回戦敗退
2019年10月 グランドスラム・ブラジリア 優勝

更新日:2021年7月18日(東京オリンピック特集)
監修:eJudo編集部

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